見出し画像

北の国からお届けする桜についてのこぼれ話

森と木が大好きな、北海道の佐野です。
全国的には、既に葉桜になっている所が多いと思いますが、私が住む札幌市では、エゾヤマザクラが満開から散りぎわになったところです。

桜雨を楽しむ

今日(4/30)は、朝からあいにくの雨でしたが、桜雨を楽しみながら、通勤途中にある北海道神宮の桜並木を歩きました。桜の葉や花から、傘の上に滴り落ちる、雨音を聞くのも風情があって、良いですね。

150歳のエゾヤマザクラ

北海道神宮にはたくさんの桜が植えられているのですが、その由来は、明治八年に手稲村の住人が、山から集めたエゾヤマザクラの苗を献木したものとのこと。既に生えていた桜の木を献木したということなので、おそらく、150歳を超えていますね。

150歳を過ぎてもまだまだ元気な桜

大木に成長するエゾヤマザクラ

さて、エゾヤマザクラですが、公園や神社境内に植えられている桜は、私たちの目を楽しませるように、あまり、高くなりませんが、森の中のエゾヤマザクラは、太陽の光をめぐって、まわりの木と競争するので、かなり高くなります。
森の中で花見をすると、首が痛くなりますね。

アイヌの人たちの桜の利用法

北海道の先住民族であるアイヌの人たちは、桜をどのように利用していたのでしょうか?
アイヌ語で桜のことをカリンパニ、桜の樹皮のことをカリンパと呼びます。
そして、そのカリンパ(桜の樹皮)を使って、小刀の柄を巻き付けていたようですね。樹皮の模様を生かした使い方ですね。
日本人も桜の樹皮を使って、茶筒などの樺細工を作っていましたから、発想は同じですね。

札幌の開花宣言はソメイヨシノ

これまで、エゾヤマザクラの話をしてきましたが、個人的にはちょっと意外だったのは、札幌市の開花宣言の基準木はソメイヨシノです。札幌市内の街路樹のほとんどはエゾヤマザクラなんですけどね。
札幌市より北や東は、エゾヤマザクラになります。今年は、エゾヤマザクラとソメイヨシノの見頃の時期がほぼ重なっていました。

北海道神宮境内のソメイヨシノ

ソメイヨシノの兄弟(姉妹)

さて、ソメイヨシノですが、兄弟がいたのをご存じでしょうか?
ソメイヨシノのお父さんはオオシマザクラ、お母さんはエドヒガンですが、実は、同じ両親から、たくさんの品種が作られているのです。
イズヨシノ、アマギヨシノ、ショウワザクラ、ソメイニオイ、ミカドヨシノなどなどです。

それでは、ソメイヨシノとイズヨシノを比べてみましょう。全て、4年前に、つくば市にある森林総合研究所で撮影したものです。

お父さん(オオシマザクラ)

お母さん(エドヒガン)

子ども(ソメイヨシノ)

子ども(イズヨシノ)

お母さん似のソメイヨシノ、お父さん似のイズヨシノ

こうして花を比べてみると、ソメイヨシノはお母さん似、イズヨシノはお父さん似ですね。
私は、オオシマザクラとエドヒガンの子どもはソメイヨシノとイズヨシノしか見たことがないのですが、機会があれば、他の子どもたちにも会ってみたいですね。

全国津々浦々に植えられて、有名になったのは、長男(長女)のソメイヨシノですが弟たちや妹たちも、お兄ちゃんに負けないぞと、今年も張り切って花を咲かせたことでしょう。

木と人の出会いをつくるWEBアプリ

NPO法人リトカルは、もっと多くの方が木と出会い、木をもっと深く知り、癒されながら、生命のつながりの深さ、森の尊さを知っていただきたいと考えています。
木と人の出会いをつくるWEBアプリ「はなもく散歩」は、そのために開発されたアプリです。
ぜひ「はなもく散歩」を通して、木と友だちになってください。
「はなもく散歩道」はこれから全国に拡大する予定です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?