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費用逓減産業(自然独占)とは?独占の弊害と規制方法

★わかりやすく概要を解説

費用逓減産業(ひようていげんさんぎょう)とは、初めにたくさんのお金を使って大きな設備を作る必要があるけれど、たくさん作れば作るほど1つあたりの作るコストが安くなる産業のことを言います。たとえば、電気や水道、ガスなどがこれにあたります。こうした産業は、新しい会社が簡単には入れないので、1つの会社だけが独占してしまうことがあります。これを自然独占と言います。

★用語解説

☆1. 固定費用(FC)
固定費用とは、作る量に関係なくかかる費用のことです。例えば、電気を作るための発電所を建てる費用などが固定費用です。

☆2. 長期平均費用(LAC)
長期平均費用とは、たくさん作るときに1つあたりの平均的な費用がどう変わるかを表します。たくさん作ると平均費用が安くなる場合、長期平均費用は下がります。

☆3. 需要曲線(D)
需要曲線とは、価格と需要量の関係を表す曲線です。価格が高くなるとみんな買わなくなるので、需要量は減ります。

☆4. 限界収入(MR)
限界収入とは、1つ余分に作って売ったときに増える収入のことです。

☆5. 限界費用(MC)
限界費用とは、1つ余分に作るためにかかる追加の費用のことです。

☆6. 生産量(Qm)
生産量とは、作った商品の量のことです。Qmは利潤を最大化させるときの生産量です。

☆7. 消費者余剰
消費者余剰とは、消費者が商品を買うときに得する金額のことです。例えば、100円の価値があると思うものを80円で買えたら、20円得したことになります。

☆8. 生産者余剰
生産者余剰とは、生産者が商品を売るときに得する金額のことです。例えば、80円で作ったものを100円で売れたら、20円得したことになります。

☆9. 社会的総余剰
社会的総余剰とは、消費者余剰と生産者余剰を足したものです。これが大きいほど、社会全体が得をしていると言えます。

☆10. 死荷重(余剰の損失)
死荷重とは、競争がないことで生まれる損失のことです。みんなが得するはずのお金が減ってしまうことです。

★実社会ではこのように使われる!

たとえば、電力会社は大きな発電所を作るために多くのお金を使います。発電所を作った後は、たくさん電気を作るほど1キロワットあたりのコストが下がります。このため、電力会社は自然に市場を独占することになります。しかし、独占状態だと電力会社が自由に価格を設定できるので、消費者が損をすることがあります。そこで政府が価格を調整することがあります。

★今回のQ&A

Q1. 費用逓減産業とは何ですか?
A1. 初めに多くの費用がかかるけど、たくさん作るほど1つあたりのコストが安くなる産業のことです。

Q2. なぜ費用逓減産業は独占状態になるのですか?
A2. 大きな設備投資が必要で、新しい会社が簡単に入れないからです。

Q3. 限界収入とは何ですか?
A3. 1つ余分に作って売ったときに増える収入のことです。

Q4. 消費者余剰とは何ですか?
A4. 商品を買うときに消費者が得する金額のことです。

Q5. 生産者余剰とは何ですか?
A5. 商品を売るときに生産者が得する金額のことです。

Q6. 社会的総余剰とは何ですか?
A6. 消費者余剰と生産者余剰を足したものです。

Q7. 死荷重とは何ですか?
A7. 競争がないことで生まれる損失のことです。

Q8. 政府が行う価格規制とは何ですか?
A8. 独占企業が価格を自由に決められないように政府が価格を調整することです。

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