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祖母のこと 3

続きです。

私はずっと、すべての大人を
呪ってきました。
許せないと思っていました。
できれば、この手で殺してやりたい、とも
思っていました。
自分自身が大人になって、あの頃の
最低な大人たちは老人になり、
時が来れば、命を終えていっています。

できればこの手で、殺してやることができたら
どんなにすっきりするでしょうか。
子供時代は、力がなかった。
大人になってからは、育てるべき
自分自身の子供たちがいた。
私の恨みは私だけのもので、
子供たちには迷惑をかけられません。

そうやって時を過ごしているうちに
私も祖母の立場になりました。
私は、自分の子供達のときと同じように
自分が祖母からしてもらいたかった、
与えてもらいたかったことを
孫達にしてあげたいと、
努力しています。

恨みも、呪いも、憎しみも
何も消えてはいません。
思い出せば、それはもう鮮明に
その場面が浮かび上がってくる。
心はその頃に引きずられて
ボロボロの小さな私が泣いています。

けれど、孫達が
「ばあば、大好き」と言って、
ぎゅっと抱きしめてくれる。
その度に、心が
浄化されていっているように感じます。


私は、私が欲しかった祖母になります。


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