ダメージ

久しぶりに母に会ったのだけど、
また、ダメージを与えられてしまいました。
母にはもう、遠慮することなく、
自分の思いは伝えていこうと決心して、
言いたいことを言う、という
気持ちになったら
これまでの人生も
これからの人生も
だいぶ楽になるな、と安堵していました。

私の両親は、私が5歳の頃に
離婚しました。
私は父に引き取られ、その後
ひどい虐待を受けながら生きてきたわけですが、
私は父だけでなく、母のことも
恨んでいました。
あの暴力的な父に、自分の代わりの
サンドバックとして
私を父に託したと思っていたからです。

母は再会してから
父の子供に対する所業を
聞いてくれることはありませんでした。
私は、きっと母も私以上に
暴力にさらされ、
私の話を聞くことによって
その苦しみがフラッシュバックしてしまうのかも
しれないと、だから
私の子供時代の話を聞くのを
嫌がるのだろうと、そう解釈していました。
母方の親戚や、父方の親戚にでさえ
「あの男の子供」という理由で
差別や侮蔑を与えられた私にとって、
恨んではいるけれど、
母も私と同じ被害者なんだと思っていたから、
恨み言を言えずにいました。

けれど、昨日聞いた話では、
父は母との結婚期間、母に暴力を振るうことは
一度もなかったと聞かされました。
離婚の原因は、職が長続きしないこと、
借金問題だったようです。
もちろん、それも
大きな離婚理由なのでしょう。
私が父の、暴力的な一面を話すと、
「信じられない。」と言いました。
自分と暮らしているときは
そんなこと一度もなかった、と
そうはっきり言いました。

え?
私が受けてきた虐待の数々は、
あの父の娘だから、と言われながら
虐げられてきた日々は、
夢か幻だったの?

一瞬、私がおかしいのかと
私が勝手に妄想をくりひろげたのかと、
そう思いました。

一緒にいた次女は、
「おばあちゃんて、お母さんのこと
ほんとに何も知らないのね。
母親なのに、子供のことなんて
考えないで、自分のことばかり
考えて生きてきたんだね。」と
言っていました。

母と話しているとき、
心が沈んでいくのがわかりました。
息苦しさと、胸のあたりに
石が詰まったような、
そんな感覚を味わいました。
けれど、それ以上は
何も言わず、その話を終えて
他の話をしました。
その時は、ダメージを受けたなんて
考えてもいませんでした。
嫌がっていた私の話を
少しでも母に伝えられて、
満足しているつもりでした。
けれど、今朝起きたとき
一番最初に思ったことは
「死んでしまいたい」でした。

もちろん、そう思ったとしても、
私は死にません。
そういう段階はもう、乗り越え済み
だからです。
けれど、ダメージは大きかったです。

もう何十年も前の出来事に
何度傷つけば
許されるのでしょう。
一体何の罪で
私は苦しめられているのでしょう・・・
歯を食いしばって生きてきた日々も、
過去を浄化しながら、穏やかに生きていこうと
決めた心も、
すべて潰されてしまったような、
そんな気持ちになりました。

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