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寝台特急が急遽運休し大阪駅で「列車ホテル」を経験したお話


2023年12月17日。(当時高校3年生)

翌日(18日)に仙台に行こうとしていたのですが、新幹線で行くのはつまらないと思い、大阪〜東京間は寝台特急を使って行く事にしました。

早速切符を買おうと思い、チケットが残ってるか不安でしたがみどりの窓口へ向かいました。

まだチケットは残っており、寝台券を購入出来ました。

草津駅は最寄りではありません

この日は夕方からバイトだったのでワクワクを抑えながら働いていました。

そして22時にバイトが終わり、急いで家に帰ります。

この時間から在来線で大阪駅に行くためには終電を考えるとタイムリミットが40分くらいだったのでバイト前に進めていた荷造りを仕上げて、(シャワー券が売り切れていると考え)軽く風呂に入り急いで駅に向かいます。

そして大阪駅に着いたのはちょうど0時。

「さて、寝台特急が発着するホームに向かうか。」

「あれ?電光掲示板に何も書かれてないぞ?寝台特急が発着するホームってここだよね?」

おかしいなと思い駅を彷徨っていると……

「え?は?運休?」

30秒くらい思考停止しました。
昼からずっと楽しみにしていた寝台特急、そして何より焦ったのは帰れない事です。

とりあえず帰れないかと時刻表を見ても最寄り駅まで行く電車はもう無く…。

「どうしよう…」

そう思っても仕方がないので改札口にいた駅員さんに事情を説明しました。

駅員さんも事態を把握しているので丁寧に説明してくださいました。

「寝台特急が運休になってしまったので急遽列車を用意しました。今夜はそこで就寝いただき朝の新幹線に乗ってください。チケットの払い戻しは後で案内しますので」

なるほど…。そういうこともあるんだな…。
と思いました。

何というか、ショックなのはショックでしたがハプニングは面白くて好きなので正直ワクワク感はありました。

そして私は指示されたホームへ向かい歩いていると警察らしき人物から

「お兄さん、もう電車来ないですよ」

と止められました。

話しかけられて割とビックリしましたが流石に事情を把握しているだろうと勝手に思い一部始終を話しました。

しかし話し終えても「どういうこと?」みたいな反応をされ余計怪しまれてしまいました。

一応その後無線でそれが事実であることを確認したのかで話からは解放されましたが一言くらい謝罪の言葉が欲しかったな‥と言うのが本音です。

それは置いておいてホームを歩くと本当に列車が止まっていたので中に入ります。(暖房が効いてて快適だった記憶があります)

どうやら話によると私以外にも90人ほど同じ境遇の人がいたらしく、後で話す払い戻しの時は行列になっていました。

中には駅員さんに「寝台特急運休の措置がこれっておかしくないですか?」と言うお客さんもいました。(気持ちはちょっとだけ分かる)

そして他の駅員さんたちもこれからどうするかで色々と大慌て。
そりゃいきなり「運休」なんて言われたら駅員さんでも慌てますよね。

すると放送で「ただいま車内にバッテリーをご用意しました。スマートフォンなどの充電にご活用ください」や「ホームに灰皿をご用意しました。」とアナウンス。

私はこんな経験初めてなので次々と非日常感が溢れてかなりドキドキしてました。
「どこから灰皿持ってきたんやろ…」なんて思ったりもしてました。


……とはいえこれを朝まで一人は寂しいな。

と思い適当に同じ年齢層の人に話しかけ友達を作りました。

今思えばこの運休が無ければ彼との出会いが無かった訳なのでそこに関しては良かったなと思っています。

すると駅員さんが近づいてきて

「本日は申し訳ありませんでした。良ければこちらを…」

とカイロ、温かいお茶、パンを支給していただきました。

なぜかカイロの写真しか無かった

その友達とパンを食べながら話をしていると「ただいまみどりの窓口を臨時で空けましたので払い戻しを行います。」とアナウンス。

お客さんが2列で並び一斉に窓口へ向かいます。

普段は駅員専用の改札機横のゲートを通りみどりの窓口に到着。

何度も「申し訳ございません」と頭を下げつつ払い戻しの対応をしてくださいました。

そしてそこで翌日の新大阪〜仙台の新幹線切符を購入します。

「これで払い戻しも終わったから列車に戻って寝る準備をしよう。」

そう思い来た道を歩いているとある事に気付きます。

「誰もいない大阪駅めっちゃ不思議だな…」

普段なら大勢の人で行き交う道も終電が終わると誰一人いない。

あの何とも言えない空気感に特別なものを感じました。

友達と話しながら列車に戻りしばらくすると

「まもなく1時になりますので消灯いたします。朝5時ごろに点灯予定です。皆様おやすみなさいませ。」

と電気が消え真っ暗になりました。

他の人もいるので流石に友達と話すのはこれくらいにして私も寝ようと思いました。

しかし寝台特急とは違いすぎて椅子で寝る事が出来ない。(慣れない体勢)

最終的には諦めて汚いことは覚悟の上で床で寝る事にしました。

掛け布団は着ていた上着で代用。

それではおやすみなさい。


午前5時前。

おはようございます。

ほとんど寝れなかったです。

夜中にパトカーのサイレンが鳴り響いたりしていたので耳栓の代わりにイヤホンをしてましたね。

少し横になりながらスマホを見ていると

「皆様おはようございます。少しでもおやすみいただけたでしょうか。まもなく点灯いたします。なお6時ごろまでは滞在いただけますので順次出発の準備をお願いいたします」

友達も既に起きていたので準備をすませ列車ホテルを後にします。

「ありがとう列車。また会おう」

そう思いつつ在来線ホームに向かい新大阪駅へ向かいます。

5時半ごろなのにたくさんの人がいて「都会って凄いな」と思いました。

そして新大阪駅に到着。
新幹線ホームに向かいますが、購入した切符はホームに戻る際に駅員専用のゲートを通ったので改札機に通していません。(確か電源が落とされてた)

なのでここで改札機に通してもエラーが出てしまうので駅員に「寝台特急に乗ろうとしていたものです」と申告すれば納得し通してくれました。
(友達も同様)

いよいよ新幹線に乗車しまずは東京駅を目指します。

ちなみに2023年7月に変更された車内チャイム「会いに行こう」はここで初めて聞く事になりました。

友達と新幹線で話しながら過ごしているとあっという間に東京駅に到着。

友達は東京で下車予定だったのでここでお別れです。今までありがとう。

私は東北新幹線に乗り換えいよいよ仙台へ向かいます。

流石に疲れていたので仮眠をとりました。

気付けば宮城県。

白石蔵王駅を通過しいよいよ次の駅は仙台。

「まもなく、仙台です」
と少しずつ都会になって行く車窓の景色は美しいものでした。

そして仙台駅で下車。

さすが東北なこともありかなり寒かったです。

しかしこの旅はここからが本番。
仙台の街を歩き観光しましたとさ。その話はまたどこかのタイミングで…。

それではまたいつか。

END

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