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映画「ヴィーガンズ・ハム」(監督:ファブリス・エブエ) 感想

2021年製作/87分/フランス
原題:Barbaque
配給:ブラウニー
劇場公開日:2022年10月21日
監督:ファブリス・エブエ

クソコラを作りましたのでご査収ください。

以前から気になっていたのですが、ついにNetflixで公開されたため、満を持して見ました。
基本的にはコメディですが、心にキツめの描写も多かったです。

肉屋の娘の彼氏が“意識高い系ヴィーガン”だったところから悲劇は始まっていくのですが、この彼氏が絶妙に“本当に居るスレスレの意識高い系”なのがよかったです。彼氏との会話は予告編でほぼ見られますので気になる人は先にそっちを見てもいいかも!

いや、まあ、わたしも肉を食べますし、肉屋の娘の彼氏としては正直めちゃくちゃウザいんですけど、ヴィーガンを“ある特定の信仰”と捉えたときに、ものすごく意地悪な表象だなと思いました。このヴィーガンへのヘイトの末が“ヴィーガンデモの前で肉を食う”とかいう人の心を失った愚行だったりするので。
そして、ヘイトがピークの夫妻が主人公の映画にもかかわらず、めちゃくちゃ面白かったんですよね。わたしの中にも“ヴィーガン”だけではなく、付随する“目黒区・世田谷区在住”だったり“ノマド”だったり“無印良品に対する信仰”だったり“確定拠出年金をちゃんとやってて人にもドヤ顔で勧める奴ら”への同種のヘイトが溜まっているのかと思いました。映画とは全く無関係です。南無。

わたしは、特定の人種や信仰に対する憎悪にかなり繊細です。そんなわたしが最後まで見られたのは、現実にはそこまで”ヘイトムービーではなかった”からなんですよね。あくまで、夫婦が少しずつ”肉食”に執着し壊れていく様子と、多種多様の狩りの様を面白く見せることに重点を置いた映画だったので普通に見られました。
なので、”ヴィーガン”であること、”自分たちを攻撃すること”、”美味しそう”であることが少しずつぐちゃぐちゃになって標的のことで夫婦喧嘩をしたりするのが愉快でした。映画としては、美味しそうなら殺して食べるべきですよね。ヴィーガンだろうとなかろうと、大人だろうと子供だろうと。それが純粋な欲望です。だって食べたかったんだもん。

最近ツイッターで、友人だと思っていた人の「ミソジニー大爆発の奥義」みたいなツイートを見かけてしまい、つい、うっかり頭ごなしに論破しにかかり友人を失いました。大変反省しています。本当に反省しました。映画を見て「明日、わたしはハムになっているな」と。“友人だから”それ”(ツイート)が激しいヘイトだと気づいて欲しい”というのは、この映画の彼氏と同じで「愛する人の両親だから理解してくれるだろう、というかしてくれ」という傲慢で他人の人生や背景を踏みにじった選択です。そんな奴はハムにされてしかるべきです。
わたしだったら、そう、これがセクシャルなヘイトであれば、火あぶりという昔ながらの方法がふさわしいかもしれません。

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