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リテピ花写016 強く主張せず、優しく、かつ生命力を秘めるムクゲ
暑い夏になると、
やはりムクゲのようにハイビスカス系の花が良く咲くようですね。
日本で古くから親しまれているムクゲ(槿,木槿)も、
フヨウなどと同じ、アオイ科のフヨウ(ハイビスカス)属でした。
6月から10月にかけて咲くムクゲの花は、
1日でしぼんでしまいますが、次々に開花し咲き続けますので、
期間中ずっと咲いているように思えます。
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また、ムクゲは挿し木や種からもよく育ち、開花し、
咲いては散り、散っては咲く様子から、
韓国では無窮花(ムグンファ)、つまり果てしなく咲く花と呼ばれ、
その生命力から国花に指定されています。
ムクゲは中国や東アジア原産で、
日本には平安時代に渡来し、江戸時代には多くの品種が作られました。
一重、八重、半八重咲きや色のピンク、白、紅紫、水色などがあります。
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ムクゲの花言葉は「尊敬」「柔和」「信念」「デリケートな美」など。
穏やかな印象の花で、1日でしぼむはかなさや
漢方薬の原料になることからイメージされた様です。
ムクゲのように一日でしぼむのは
ハイビスカスなどアオイ科の花に共通しています。
ムクゲの樹皮は「木槿皮(もくきんぴ)」で、
抗菌作用があり、水虫薬に配合され、
ムクゲの花は、乾燥させて「木槿花(もくきんか)」という生薬として、
消化器系に効き、胃腸炎の改善や下痢止め等に用いられています。
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ムクゲは俳句では秋の季語で、
小林一茶は、「それがしも その日暮らしぞ花木槿」という句を詠み、
茶人千宗旦が好んだムクゲは
白地に赤色で宗旦(そうたん)と呼ばれています。
ムクゲの花のはかなさが一期一会の茶道の精神にも合致するので、
もっとも代表的な夏の茶花となっています。
ムクゲの「尊敬」「柔和」「信念」「デリケートな美」は、
人にも望まれる言葉ですね。
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ムクゲは果てしなく咲く花 「尊敬」「柔和」「信念」「デリケートな美」が花言葉 写真