閃光のハサウェイの考察動画に言いたいこと 1
こんばんは。投稿主です。
前回の記事では、閃光のハサウェイの考察動画を一つの例えとして使用しましたが、今回の記事はより深堀して、その考察動画に狙いを定めて書きたいと思います。
前回の記事では閃光のハサウェイのことを知らない人にもわかるように気を付けて作ったのですが、今回は、知らない人、見てない人、そもそもガンダム見たことないよって人は非推奨です。
かなり、マニアックな話になるので、お気をつけください。
また、あくまでも、個人の見解なので参考にするのはいいですが、
「これが正解なんだ。」と吹聴することは止めていただければ幸いです。
疑問の残る解釈 「ギギのキャラ造形」
いきなりですが、上記の画像には
「ギギにはニュータイプ能力が備わっており、それ故、洞察力が鋭く、
ハサウェイ=マフティーだと見抜けた。」と書いてあるが・・・
果たしてそうだろうか?
というか、ギギがニュータイプだと仮定すればここまでの難しい会話は必要ないのではないだろうか。
一言、ハサウェイに
「わたし、ニュータイプなの。だから正体に気づいたの。」
これで済んでしまう。
いわば、無敵。何でもあり状態であり、ギギのエキセントリックさが目立つすべてのシーンにおいて「ギギはニュータイプだから。」というありきたりな理由で片付いてしまう。
こんなのが考察と言えるだろうか?
否、私はそうは思わない。
明らかにこの画像の作成者はギギのキャラ造形の解釈を間違えています。
その理由をこれから書いていくことにします。
キャラの表面しか見えてない
鋭い洞察力、妖艶なビジュアル、大人びた言動、
ギギのキャラクターとしての魅力はこの作品を語る上では必至であり、目を惹くのは分かります。
しかし、そもそも機動戦士ガンダムという作品はキャラクターをキャラクターとして捉えるのではなく、一人の人間として捉え、SFロボットアニメでありながら戦争というものに向き合い、人間の心の機微や葛藤を繊細に描く。
つまり、フィクションに人間のリアリティを持ち込んだことが画期的でアニメファンを魅了したはずである。
そのファーストガンダムの流れを色濃く受け継ぐ閃光のハサウェイの中の
ギギのキャラ造形が、
ニュータイプだから、洞察力が鋭い。
ビジュアルが大人だから考え方も大人である。
大人びた言動をするからIQが高い。
「アホか!」と。「ちゃんとアニメ見ろよ。」と思います。
こんな表層的な上っ面をなぞっただけの解釈が適当であるはずがない。
その奥を考えましょう。
なぜ、洞察力が鋭いのか。
なぜ、ビジュアルが大人っぽいのか。
なぜ、大人びた言動をとるのか。
答えは一つ。ギギが少女だからです。
大人の仮面をかぶった少女
「人を見た目で判断してはいけない。」
正にギギに当てはまる言葉でしょう。
若くして大富豪の愛人であるならば、可愛らしい少女ではなく、魅力的な女性でなくてはなりません。したがって、女性として扱ってもらうには、大人と張り合えるほどの知識や言葉の説得力が必要であり、見た目もガキっぽい服ではなく、肌の露出の多い服で性的な目を向けられるようでなくてはならない。
また、目上の大人に舐められないように会話の主導権を握らせない鋭い洞察力を磨き、全てを理解しているように振舞う。
この全てが成長しきってない内面の子供っぽさを隠すための仮面であり、
ギギの二面性を表現しているのです。
女性とは裏表のある生き物ですよね。
これが、正しいギギのキャラ造形ではないでしょうか。
大人びているのではなく、大人びていると思わせたい。
大人の世界に少女ながら身を投じていると自覚しているからこそ、大人に舐められたくないという気持ちがギギから滲み出しているように私は感じます。
このように少し考えればわかるはずのキャラの造形すら、分かってない。
分かろうとしない。考えない。
それで閃光のハサウェイを見たことになるのでしょうか?
解説?考察?笑わせないでください。
ギギのキャラ造形を解釈できないとその先にある
「ギギはニュータイプか否か。」
なんて分かるわけがない。それが言いたかった。
さて、ここまで長々と書きましたがこれは前提です。
キャラ造形を解釈できないとわからない大事なシーンがあるんです。
次はそれを書きます。
なぜ、ギギはハサウェイ=マフティーだと分かったのか?
お話の根幹に関わる謎だと思います。
あなたは、いままでの文章を読んでもまだ
「ギギはニュータイプだから。」で片づけますか?
そんなわけないですよね。
ハサウェイ=マフティーとなぜわかったのか。
ヒントはこの記事の中にあります。少し考えて見てください。
・・・・・・
分かりましたか?
答えは「少女だから。」です。
詳しく説明していきます。
少女漫画の所謂、テンプレート。
白馬の王子様がピンチに陥ったヒロインを助けに来てくれる。
こんなシーンこの映画の劇中にありませんでしたか?
そう、ギギやハウンゼンの乗客が偽マフティーに襲われるシーンです。
「やっちゃいなよ、そんな偽者なんか!」
映画を見た人ならこのセリフ聞き覚えがありますよね。
この台詞にギギの内面である少女の部分が深く関わっている。
つまり、ギギも一人の少女。どれだけ取り繕っても、窮地から救い出してくれる王子様を求めていて、それをギギの中のマフティー像として重ね合わせていた。自分の世界を変える救世主として。
もしギギが女性であり、現実主義であれば、偽マフティーが出現した際、
「やはり、マフティーもテロリストなのか。」と本物だとして信じ切っていたかもしれない。
しかし、王子様を求める理想主義だからこそ、偽マフティーをマフティーだと認めなかった。だから偽マフティーを挑発するような態度をとれたのかもしれません。ただの女の勘って線もありますが。
そしてハサウェイが颯爽と偽物を葬っていく。自分の言葉をきっかけに。
ここまでくれば、ハサウェイ=マフティーだと信じてもしょうがないように思う。たとえ、少女の思い込みだったとしても。
それを証拠に空港のラウンジでの会話シーン
なぜ自分がマフティーだと分かったのかとハサウェイから尋ねられた際、
「カッとしてやっちゃったのよ。」とギギは答えます。
いかにも取ってつけたような答えだと思いませんか?
というかそれって「やっちゃいなよ。」って言ったギギの気持ちじゃないですか?
「カッとして言っちゃった。」ってことでしょ。
偽物が本物を騙っていることが許せなくて、黙っていられなかった。
そこに王子様を求める少女の純情が見え隠れしているようにも思える。
以上が私の考えたギギがハサウェイ=マフティーだと分かった理由です。
上記の画像では、ギギがニュータイプであると定義していましたが、
ギギがニュータイプでなく、生存戦略として己の力を磨いていたとすれば
同じシーンでも違って見えるものです。
とまあ、妄想100パーセントの考察ですが、このように解釈できる幅を設けているところが閃光のハサウェイという作品の魅力であると私は思います。
次回予告
今回はギギのキャラ造形を取り上げましたが、上記の画像の作成者に言いたいことは山ほどあるので、シリーズ化したいと思います。
次回は「ハサウェイの目的は?」です。
それでは、長文失礼しました。