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同じでないもの_2024年3月2日土/曇り
ひな祭りが近いから、塩漬けの「桜の葉」を買った
という人とさっきまで話してた。
べつにひな祭りはどうでもいいんだけど、
この桜の葉で大好きな桜餅が食べられるじゃないか、と、
スーパーで見たときに思いついて買ったらしい。3パックも。
その戦利品を見せてもらったけど、
桜餅用の桜の葉って意外と長いんだね。
「ソメイヨシノより長いよね」
「やっぱり、餅をくるむからかなぁ」
と答えるから、中身はどうするのか聞くと、
「餅とか饅頭とかそのへんのものを適当に葉で挟む」という。
それで話は、
桜の葉で餡をくるむのがおいしいとか、
桜餅は関西と関東でかたちが違うとか、
ソメイヨシノといえば大阪造幣局の桜は人通りが多すぎるとか、
東京の桜はなんでアーチ型なんだとか、
ガハガハ笑いながら進んだけど、
結局、わたしの頭の中には
「桜餅用の桜の葉は長い」が残っているのだ。
パッケージには「中国産」と書いてあったから、
きっと中国のどこかに「食用桜」の畑があるのだろう。
1パックに5、6枚くらいかな、
桜の葉はぜんぶぴったり同じ大きさだった。
そんなふうに野菜の大きさを揃えるのは、
売るほうも買うほうも効率的だし、
わたしもそうとは思う。
機械で調理する加工工場にとっては便利なことだろう。
ただ、生活で使うぶんにはね、
多少大きさが「ちがって」も、それはそれでよしなんだなぁ。
カブの味噌汁でいえば、
お椀のなかに、ふたつだけ小さいカブが混ざってると、
見た目がおもしろいし、おもしろいものは美味しそうにみえるのだ。
やたら大きいとか、すごくちっちゃいとか、ちょっと太めとか、
そういう「ちがい」をなんとかしようとしたり、活かそうとするところに
料理のクリエイティブが生まれる、なんてね。
ちょっと、手間はかかりますが。
そうだ、これは料理だけじゃないぞ。
同じだけど「ちがうもの」を相手にすると、
じぶんのこともよくわかったりすると気がついた。
じぶんは、こんなことがめんどくさいんだとか、
じぶんは、これをしてるのが好きなんだとか、
新しい面がみえてきて、そのたびに、
じぶんという引き出しが増えるんですよね。
「やりやすくないたのしみ」というか。
そういえば、野菜の大きさの不揃いのほかに、歪みもあるね。
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