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グラフィティの善と悪~壁画で空気浄化?~
100万人を動員したバンクシー(Banksy)の展覧会が日本に上陸し、大阪で開催されることになったため足を運んだ。
会場には鬼才バンクシーの作品を見ようと、アート好き、流行りものにとびつくミーハー層、デート目的のカップルなど様々な来場者でごった返していた。
『天才か反逆者か(Genius or Vandal)』というタイトルのこの展覧会であるが、展覧会の主役であるバンクシーとは、社会に対する風刺を、ステンシルという技法で路上に描くグラフィティ・アーティストとして広く認知されており、英国を拠点に活動していること以外に彼の素性は謎のベールに包まれている。
バンクシーの作品がオークションに出品されると、億(円)という単位で取引されている現在であるが、そもそもバンクシーをはじめとする路上に描かれているグラフィティには違法行為のものと、合法的な行為なものとに大きく二分される。
(グラフィティについての詳細は過去の記事を参照)
もちろんバンクシーの路上での作品も違法行為に該当するものであるが、バンクシーの作品のように芸術的に質の高いもの、政治的メッセージを含んだものは数多く存在し、ヒップホップ文化の代表的提唱者であるKRS ONEを筆頭に、グラフィティ(落書き)をエアロゾル・アートとして芸術的表現方法・社会的主張と捉えているものも存在する。
そんな街の破壊行為であるかどうかの境界線が曖昧であるグラフィティを、環境保護のために利用しようというプロジェクトが世界で取り組まれている。
靴メーカーのコンバースによって主催されている『コンバース・シティー・フォレスト』という名のプロジェクトは、空気をキレイにする機能を持つ塗料を用いて壁画を作成し、世界の空気浄化を行うといった内容である。これまでにタイやポーランドで実施されており、タイでは樹木150本分、ポーランドでは樹木780本分の空気浄化作用を持つ壁画が描かれている。
以前より、同ブログにおいてグラフィティには違法的側面がある一方で、合法的に取り扱われた場合、景観保護や地域活性化を促進し、環境的調和を生み出す効果があると述べてきた。
冒頭で述べた展覧会において、バンクシーは来場者に「バンクシーが天才か反逆者か」と問うているが、彼の作品を携帯写真に収め、SNSへの投稿に躍起になる前に、「グラフィティが社会的に善か悪か」も同時に考えてみてはいかがだろうか。
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