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なんでもやってみたあの頃

中学生のとき、古文を自分なりに現代語訳して短編小説を書く授業があった。小学生の頃から親の本棚から小説を持ち出して読んでいたこともあり、その授業に対するモチベーションは他の生徒より高かったことは間違いない。他の生徒が退屈そうにあくびする一方で、僕は上手く書けるだろうかと緊張しながらも、初めて小説を書く楽しさで気分が高揚してたのを覚えている。

書いた小説が学年の廊下に掲載されることになった。先生の気遣いから、名前は本名ではなくペンネームで公開されたので、他の生徒に僕が書いた小説と知られることはなかったが、皆が自分の小説を読んでいるのを見るだけで素直に嬉しかった。気分を良くした僕は小説を書こうと思った。家にあった400字詰の原稿用紙を引っ張り出して書いた。

試みは1週間で挫折した。書けたのは原稿用紙2枚分のみ。でも、清々しい気持ちだった。やらぬ後悔よりやる後悔を初めて実感したときだった。


400字エッセイ書いています。




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