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二度と味わえないこと
肌を突き刺すような日差しと、身体に空気がぬめっとまとわりつくような湿気が合わさり、立っているだけで汗ばむ毎日。こんな日々に、誰かに強制されたわけでもないのに、よく1日中外で野球していたもんだ。野球部というだけで「野球部?すごいね!」と周りの人に言われて不思議だったけど、不思議に感じていたのはむしろ向こう側だったんだろうなと今では思う。
ユニホームを着るだけで汗が吹き出すし、アップのメニューだけで吐きそうになるし、グランドに照りつける日差しが反射して目を焼きそうになる。しんどいことばかり。
でも、練習後に皆で飲んだジュースの味や、ミーティングで皆がぶつかり合った際の雰囲気、各ポジションで起こるライバル心むき出しのシートノック、そして全員が1つのことだけを目指す試合で生まれる一体感、どれも二度と味わうことはないと思うと少し寂しい。
クーラーがよく効いた部屋でふと振り返った。
400字エッセイ書いています。