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次男と四男と僕と北海道
北海道の北広島駅に兄弟3人で降り立った。現在地と駅名のギャップに冗談を言い合いながら、目当てのスープカレー屋さんを目指す。開店まで時間があったので、近くの街の眺めが楽しめる場所で時間を潰すことにした。
平らな屋根の家が並ぶ街並みと、目を楽しませるカラフルな紅葉が並ぶ通りを、3人で眺めていた。
「でも実際に北海道に来たかなんてわからんよな。飛行機で北海道に来たつもりでおるけど、知らん間に違う場所に連れてかれてるかもしれやんし。」
まるでくだらないようで、少し考えさせることを、真面目な面構えの四男が語っている。スープカレーを食べたいがために北海道旅行を提案した次男が、開店を待ちきれない様子でタバコに火をつける。厳格な食事制限で減量に成功した次男でもタバコは辞められないようで、ニコチンの強力さに改めて舌を巻いた。
でも、まるでお手本のようなパキッとした秋晴れの中で吹かすタバコは、何よりも旨そうにみえた。
400字エッセイ書いています。