⑤衝撃すぎてひっくり返る任国外旅行〜後編:キューバ〜
パナマを満喫した協力隊一行は、キューバへと向かう。
そこには衝撃の世界が広がっておりました。
3. キューバ:言葉を失う衝撃の世界
(1)到着した瞬間からヤバみが止まらない
空港に到着して中に入ると、
・空調が効いてない。暑い。
・空港の職員、Tシャツにクロックス
・入国審査のおば、なんかノートに鉛筆で書いてる
・空港なのにトイレの水がない。どのトイレも前の人のやつが残ってる…
・キューバ観光の広告がひと昔古い。もちろん会社とかの広告はない
・荷物を受け取って入国のドアを開けたらいきなり外。ままま待合室なし…??
なんすかここ。
どんな途上国でも空港くらいは整ってると思ってた(ホンジュラスの空港はめっちゃ綺麗)のに、空港がこのレベル…?? じゃあ中心街は…??
中心街に向かうタクシーの窓から見えてきた景色は、
ボロッボロの建物。
色褪せてるし、ひび割れてるし、爆撃でも受けた?
曇り気味の空にこのボロボロ建物、なんか雰囲気が暗い…
これ、首都で合ってます??
(2)首都ハバナ:混沌
行ったところは主に
○いろんなシステムが破綻してる
・どこも水不足、空調壊れてる
・町中ゴミの山だらけ
・何回も言うけど、建物ボロボロ。
・泊まったホテルのエレベーター、数字の表示がバグって点滅する。到着した時の音が震えてる。ガチのタワテラでガクブル
○気さくさとお金目的の境界線があやふやな人たち
ハバナの街を歩くと、いろんな人たちが入れ替わり立ち替わり絡んでくる。
・タバコおば:一緒に歩いてきて、「今日はタバコが安く買える日だから」と、建物の一角でタバコを売ってる場所に案内されて、かなり強めに勧められる。その後も街を案内してくれて、ガイド料は取られなかった。
・謎の飲み物おじおば:一緒に歩いてきて、「ドリンクが美味しいお店があるよ」と案内される。着いたら2人も一緒に席に座って、「私たちの分も奢ってくれ」と。払ってあげて一緒に話をした。(勧められた飲み物はよくわからない味で、かなり高かった)
・勝手にガイドおじ:一緒に歩いてきて、勝手にものすごいハイテンションで街を案内し始める。目的地に着いたら「子どものミルク代を払うのに協力してくれないか」。かなり高い値段を言われたが、仕方なく払った。
「おいおい…それ着いてったら危ないでしょ!」と思われた方もいるはず。
この人たちについて行って、お金を払ったのは、明らかにぼったくろうとしている感じではなかったから。フレンドリーで気さくなのは事実で、優しさとお金欲しさの境界線があやふやで、一概に「この人たちは悪」とも言えなかったから。
実際この人たちとは色々話をしたし、楽しかったとは言える。
でも、この優しさ、気さくさがお金のためだと言われると、なんだか悲しくなる。
(3)バラデロ:切り離されたリゾート地
バラデロは、首都から車で3時間くらいのところにある、綺麗なビーチリゾート。
人生で見た中で一番!!綺麗な海だった!!
でも。
バラデロの街は、綺麗なホテルだらけで、歩いているのも外国人観光客ばかり。
貧しさの影も見えない。
完全に地元の人と切り離された街だと思った。
(4)「みんな平等に貧しい」社会主義
キューバに溢れていた、優しさとお金目的の境界があやふやな人たち。
お金をせびるからって、その人たちを責めることはできない。
なぜならそうするしかお金を得られる方法がないから。
私も資本主義や社会主義についての知識が乏しいので、もし何か間違えてたら教えて欲しいのだけど、
一般的な知識としては、
社会主義は、「みんな平等」であるとうたう経済構造。
食べ物や必要なものは「配給制度」として、すべての人に同じ量のものが「平等」に分配される。
教育や医療は無料なので、みんな大学に行けるし、みんな無料で診察が受け入れられる。
それは事実。
だけど、私がキューバで垣間見たキューバの姿は、「みんな平等に貧しい」。
みんなが同じだけものをもらえるとはいえ、そもそもキューバ自体が持っている物資が乏しすぎるから、一人分の分配量も少ない。その結果、みんなが飢えているという状態。
だから、少しでもお金を得るためには、お金を持っている観光客からせびるしかないという考えになるんだろう。
旅行中にメンバーの一人が体調を崩したので病院に行った。JICAの方からは、「キューバの医療技術は高い」と言われていたけど、インフルエンザの検査キットがなくて風邪なのかインフルエンザなのかがわからず。医療機器や医薬品が不足してるんだと悟った。
いくら教育や医療の水準が高くても、それを活かせるだけの環境を整えるお金がない。それじゃあどうしようもないじゃん。
4.パナマ、キューバ、ホンジュラス、私
(1)やっぱり私は資本主義の人間
ハバナの街のボロボロの建物を見て、悲しくなった。
やっぱり、競争がなければ「良くしよう」というモチベーションがなくなるんだろうか。より良くしたところで、自分に金銭的なリターンがないならやんなくてもいいわって感じ?
だけど、私からしたら、ボロボロの家には住みたくないし、綺麗な家に住むためなら頑張って仕事したいと思った。
自分の生活や自分の人生を自由に設計できる自由、自分のほしいもののために頑張る自由が欲しい。
あと、パナマのスタバで半年ぶりにロゴのついたカップを手にしたときは嬉しくてしょうがなかった。ミーハーじゃないと思ってたのに。
やっぱり資本主義がいいと思ってる自分がいる。
そう思うすべての理由は、自分が資本主義の国で、それも恵まれた豊かな家庭に生まれたからなのか。
(2)そして、結局私は先進国の人間
パナマの旧市街で見つけた、めちゃめちゃ繊細なインテリアデザインのカフェに、日本を発って以来ものすごく心が踊ってる自分がいた。
そうか、結局私はキラキラしたものや高価なものが好きな先進国の人間なんだ。
「青年海外協力隊として途上国の発展のために尽力している日本人」
自分が背負う肩書きはこう。
それでも、途上国の一員として骨を埋める覚悟まではない。
マザーテレサみたいにはなれない。
知らなかった世界を見たい、そしてその経験を自分の成長に繋げたい。
2年後の日本帰国は約束されてるんだし、まあちょっと途上国でもやってみよう。
くらいにしか思えていない、豊かな暮らしから離れられないただの富裕層。
そういう自分に気づいてしまった。
そして、そういう自分に気づけた。
(3)そんな自分で、引き続き生きてゆく
豊かで、同時に貧しい日本、
そしてホンジュラスと発展した国パナマ、社会主義国キューバ。
その中に身を置いて感じたもの、見つめた自分の姿はこれまでと少し違った。
ハバナのカフェにいたときに、ガラス越しに遊び半分で中指立ててくる男の子2人組に出会った。
持ってた紙切れにナルトの絵、日本とキューバの国旗を描いて、「Hola! こんにちは!」と書いて渡した。
そうしたら、すっごく嬉しそうな顔をして、手でハートを作ったり投げキッスをくれたりした。
なんかわかんないけど、私はこういうことに喜びを感じるんだな、と思った。
マザーテレサにはなれなくても、自分が自分らしく、楽しんで生きることのできる人生、そして誰かのために生きることのできる人生を探し続けようと思います。
えー、ここまで長々と真面目に振り返ってきましたが、
この旅行がどうだったかって?
ひとことで言えば最最最最最最高でした。
だってメンバーが最高だもの。
最初に書いた通り、どう転んでもぶち上がる運命しかない。
このカオス旅行をこの4人とできたのはまじで一生もんの思い出です。
みんな、ありがとな。
Adios!
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