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もったいない国会議員

Yahooニュースには匿名のコメントが寄せられている。ワクチンの接種開始に不安がある。医療従事者ではなく、国会議員が先に接種せよという声が目立つ。副反応が出るかもしれない。安全だと言う大臣、あなた達議員が先にどうぞ。

この主張の根底には、国会議員はいらないというか、役立っていないという見方がある。高い給料を払っていて無駄だ。税を貪る悪のように言われる。この点について取り上げたい。
(ワクチンへの不安に対する反論は、他のサイトの記事に多数あり、ニュースキャスターや解説者も丁寧におしえてくれていると思います。)

国会議員への給料は歳費といい、他にも交通費や事務費、秘書の人件費も議員へ支払われています。きっちり金額を計算しているサイトがありました。

ざっくり1人に1億円かかるとのこと。議員へ支給しているわけではないが、大臣だと警護費用などもかかっているでしょう。国家の統治に議会を採用して、議員を選挙で決めている。大がかりな民主主義にはコストがかかる。議員の歳費の適正な金額は簡単に言えないが、議員は人気のない仕事である。なり手がいない。ある程度の報酬や費用負担をしないと議員を確保して議会制を維持できない。

すでに政党政治は、草の根民主主義では維持できず、官製になっている。政党助成金を政党に交付している。政党は自力で政治活動の資金を集められない。国民は政治に無関心だから、政治資金を提供しない。党員になったり、政党の機関紙を購読したり、献金はしない。するのは一部の企業に限られる。国民から文句を言われるだけで、応援の声は弱い。だから腐敗や癒着が繰り返される。余計に政治不信が蔓延する。政治を目指す若者も少ない。議員は職業というよりは、役割で、いわば町内会長の延長線上にあるといえる。町内会長の名前も知らない人はいる。それくらい政治への無関心は広がっている。

町内会長の選出にかかる費用は少額だが、国会議員の選挙にかかる費用は巨額だ。民主主義という装置を維持するには大きなコストがかかる。大統領選挙があるアメリカやフランス、韓国は政治への期待と関心が大きい。さらに特定の政党を支持して活動したり少額でも政治資金を提供する国民がいる。アメリカでは支持する候補者を大統領選で勝たせるために、貧しくてたった1ドルしか出せないがネットで寄付する人もいる。大統領選挙のニュースで見かけるプラカードやバッジは支持者が自費でグッズ購入して資金の面でも応援している。この違いが大きい。慢性化した日本の政治無関心の病は大きな問題である。

民主主義を支持するのであれば、国会議員はその担い手であり、犠牲にしていい無駄なものではない。無能だと批判される議員がいるが、有能な者が議員になろうとしないことも問題である。衆議院の報酬よりも巨額なのは、選挙費用である。しかし、投票率は著しく低い。


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