9月入学のためのステップ
9月入学へ移行するために何が必要か
学齢の問題
4月2日から翌年4月1日までの期間に生まれた子どもで同一学年を構成するという現在のしくみは、変更できない。
変更するということは、期間をずらすということなら混乱が生じる。
延長して8月31日までに拡大しても、混乱が生じる。学年の人数やどちらの学年に属するかで、不公平が生じる。慎重論もこの点を問題にしている。会計年度は、教育活動においては問題ではない。慣れるまで不便や手間を感じるが、大人たちは工夫できる。今年度、東京の小学1年生には7歳3ヶ月になっても、まともに学校生活が始まっていない児童がいる。学齢の基準を変えないで9月入学に移行すると、入学時点で7歳5ヶ月になる小学1年生がいることになるが、今年度在学中の小1から大学生までの子どもたちを4月入学を守るための犠牲にすることに賛成しにくい。
大学入学共通テスト(旧センター試験)の6月実施
高校入試も6月実施
学年末は7月に変更
公務員採用も9月に変更、新入社員も9月入社に変更
教育業界には受験業界がある。入試の日程変更が示されないと、何とかして受験に間に合うようにしようとする塾や予備校、私立学校の動きが止まらない。これがやがて、教育格差の問題をつくる。対応できない公立学校や地域間格差が浮き彫りになる。英語の民間試験導入問題と同じである。
8月が夏休みであることは変わらない。
9月入学に変更しても、すべての問題は解決できない。
社会は未知のウィルス感染症に備える必要がある。
それは地震対策や防災と同レベルであり、今回は想定が不十分だった。
現代は技術もあり、専門家も研究者もいる。社会の変化と備えは避けられない。