中国人になれなかった私が未来のためにできること
昔、『中国人になった私』というエッセイ本を出版した。1991年に青年海外協力隊の日本語教師として中国に赴任。その後、現地で知り合った男性と結婚し7年が過ぎた頃だった。赴任当初は貧しい街並みだった中国が、7年の間に、誰もが予想だにしなかった急激な発展期を迎えていた。
『中国人になった私』を出版した当時、私は実際には中国人になっていなかった。ただ、普通に恋をして結婚し、そこに暮らして、自分の知っている中国を日本に伝えたいと思っていただけだ。タイトルは出版社から提案され、私は戸惑い