正しいパクり方
パクリにも作法がある
「パクリ」は度々炎上してニュースになります。特にイラストや漫画界隈では頻繁に起こっています。
しかし創作において一切模倣をせずに完全なオリジナルを作ることは不可能なのであり、必ず誰かの影響を受けているのです。違いは自覚してるかしていないかだけ。
炎上をしないためにも、音楽での「正しいパクり方」をお教えします。
正しいパクリ方は「感動の再現」にある
これから音楽を作りたい方は、好きな曲、目指すサウンドがあると思います。
なぜその曲が好きなのか、深く考える必要があります。好きな曲がすでにあるのに、なぜ自分が作る必要があるのでしょうか?その曲を聴いていればいいのでは?
もし、その理由が自分に作りたいなにかがあるのなら、素直に好きな曲から影響を受けとり、自分なりの音楽を作り出してみてください。
分解する
参考となる好きな曲を分解します。メロディ、歌詞、コード、各楽器の音色、構成、全体の質感。その中から、何が自分の感情を揺り動かしたのかを見つけ出すのです。
その感動のパーツをさらに、できる限り小さなパーツに分解し再構成し、自分の曲の中に取り込こみます。これが正しいパクり方です。
ここで重要なのは、感動の再現です。好きな曲の中で起こった感動を、自分の曲の中でも起こすのです。
感動というの泣けたとかそういうのだけが感動ではありません。強い喜怒哀楽だけではなく、曲の中でフッと音が消えた瞬間の小さな驚きとか、ヘンテコなカウベルが鳴ってる可笑しみとか小さいものでもいいのです。というか、そうした小さな感動のほうがむしろ重要です。
自分の感情の機微を事細かに拾い上げ、それを起こした要因を楽曲の中から探すのです。
自分が好きな曲から受けた感動と近いものを自分の曲の中で再現できたか。自己評価で出来たと思えたならOKです。
正しくないパクり方
では、正しくないパクり方とはどういうものか?
それはデッドコピーです。デッドコピーとは、そのまま真似することです。
つまりは、好きな曲についての深い探求もなく、ただ上っ面だけを真似してそれを自分の曲だと言うことです。
それでは好きな曲に似てても似てなくても、正しいパクリ方ではありません。
なぜか?それは、パクろうとしていることが楽曲の要素ではなく、好きな曲を作った人の名誉、功績だからです。
こういう人は、自分を音楽で表現したいのではなく、他人の曲を盗んででも評価されたい、承認欲求という衝動に負けた人です。
承認欲求自体は悪いことではありません。しかし、盗んでもいいから承認欲求を満たしたいというのはクリエイターのすることではありません。
最初に発表した曲がたまたまヒットしてしまった人は、続く曲がヒットしなかった場合にそういう悪いパクリに手を染めがちです。気をつけましょう。
最後に
この正しいパクり方、お気づきの方もいると思いますが、つまりは普通の作曲の仕方です。たくさんの音楽を聴き、それを分析して自分の音楽に取り込んでいくこと。それが作曲なのです。
パクリと言われることを恐れ「これは◯◯に似てるかもしれない」とか考えて曲を作り進めることが出来ない人もいるかと思います。
しかし、考えてみてください。そのあなたが好きな曲も誰かの曲から必ず影響を受けているのです。過剰に心配する必要はありません。
好きな曲、作家をリスペクトし、しっかり咀嚼し自分のものにしてしまえば大丈夫です。過剰にパクリを心配せずにたくさん曲を作ってください。