来兎の音楽制作周りのこと

ゲーム音楽家です。メルティブラッド・アンダーナイトインヴァース・おそ松さんのへそくりウォーズなど ここでは音楽制作について考えてることを個人的にまとめていきます。

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  • Begin System Celestial… …

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作品は初心者のうちから発表するべき

どうしても最初のうちは「もっと上手くなってから発表しよう」と誰もが思います。しかし、今このAI到来の時代だからこそ、初心者からいきなり発表するほうが良いのです。 発展途上の作品の稚拙さは「作風」となる私は中学の時に作曲を始めてからもう随分と経ちますが、当然ながら初期に作った曲はあまり出来はよくありません。 私の場合、曲終わり方が上手く作れないということがよくありました。それでもどうにかこうにか完成までやり切りました。(未完成も数多くあります…) 完成させて数年程度は自分の

    • 正しいパクり方

      パクリにも作法がある「パクリ」は度々炎上してニュースになります。特にイラストや漫画界隈では頻繁に起こっています。 しかし創作において一切模倣をせずに完全なオリジナルを作ることは不可能なのであり、必ず誰かの影響を受けているのです。違いは自覚してるかしていないかだけ。 炎上をしないためにも、音楽での「正しいパクり方」をお教えします。 正しいパクリ方は「感動の再現」にあるこれから音楽を作りたい方は、好きな曲、目指すサウンドがあると思います。 なぜその曲が好きなのか、深く考え

      • 打ち込みの「生っぽさ」について

        DTMでよく打ち込みテクニックとして「生っぽさ」「人が弾いてる感じ」を出すというのがありますが、私としては、制作において「生っぽさ」は一切考えていません。ベロシティも変えず、タイミングもグリッドに沿ったままです。 打ち込みテクニックで単に「生っぽさ」を出すこと自体がナンセンスだと考えているからです。 どういうことかというと 生っぽい=良い曲 ではないからです。時間をかけて細かなニュアンスを生演奏っぽくしたからと言って、それが本当にその曲の魅力が向上するのか?その時間を他

        • 創作とは受け手に作りての世界観を伝えること

          私が「作曲」ではなく「音楽制作」とするのには理由があります。 作曲とは音楽制作の一部であり、表現の一部だからです。そしてそしていわゆるメロディを作る作曲をせずとも音楽制作は出来るということも理由にあります。 先日、Spotifyで音楽を聴いていると非常に興味深い曲が流れてきました。 その曲はおそらくSpliceみたいなサンプルを並べただけのlofi Hiphopでした。 ドラムとベース、ピアノ、ストリングスというシンプルな構成。 なぜサンプルを並べただけと思ったかという

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        • 音楽制作のヒント
          12本
        • 制作環境の話
          2本

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          音楽制作に向いているタイプ

          音楽制作は趣味としてとても面白いのでオススメなのですが、やる人の性格によって向き不向きがあります。 向いているタイプの人音楽制作に向いているのは、制作そのものを楽しめる人です。 基本的に音楽制作は地味な作業です。それ自体を楽しめなければ長くは続けられません。 メロディやコードの試行錯誤や、新しいプラグインを試したり、好きな曲の技を真似してみたり、楽しめることはたくさんあります。 私が仕事として音楽制作を続けられるのも、この制作自体を楽しめるからだと思います。もちろん辛いこと

          音楽制作に向いているタイプ

          DTM・ビートメイク情報商材系Youtuberについて

          ちょっと目についたのでさらっと書いておきます。 「ビートメイクで稼ぐ」とか「◯ヶ月で作曲のプロになる」とかは99.9%無理です。 動画の構造が完全に商法商材系の手法だったので、こういう動画の人は多分そういうセミナーを真に受けてYoutubeを始めたのだと思いますが、そもそもその動画を作ってる人が音楽で稼げてないです。 だって、音楽で稼げてたらこんな動画を作るはずないのですから。ちゃんと音楽で稼いでる人の動画とそうでない人の動画は全然違います。 もしこういう動画が気になっ

          DTM・ビートメイク情報商材系Youtuberについて

          「勘違い」を解決すれば大きく伸びる

          自己流でつまずく原因のひとつに「勘違い」があります。 ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんがロンドンハーツというテレビ番組で100m走を披露したことがあるのですが、その走り方は独特でとても遅かったのです。 本人曰く「ふとももを高く上げると早く走れると思った」と話していました。 実際はその勘違いせいで必要以上に腿を上げてしまい結果遅くなっているのですが、本人は自分なりに速くなる工夫をした結果遅くなってしまったのです。 また、私が高校生のときに自分は音痴だという同級生がいました

          「勘違い」を解決すれば大きく伸びる

          音楽活動と家族友人へのカミングアウトについて

          音楽活動をしている人が、そのことを家族や友人に知ってもらうかどうか。 心情的には知ってほしいし、応援してほしいと思うでしょう。 しかし、私の経験から言わせてもらうと、音楽活動をしていることを家族友人に知られることはマイナスになることがほとんどでプラスはありません。 若いうちはプロ・アマ関わらず、あえて自ら家族友人に言わないことを推奨します。 音楽活動をカミングアウトすることにるマイナス活動をバカにされる 「売れてないクセに」「有名人ヅラしている」など、こうした活動に無知

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          クリエイターのためのUV対策のすすめ

          私は4年ほど前からUV対策をしています。 音楽系のブログが突然何を言いだすんだ?とお思いかもしれませんが、音楽制作との関係はエントリーの最後に書きます。 具体的なUV対策は以下です。 日焼け止めを塗る 日傘を差す。 ビタミンBとCのサプリを摂る 日焼け止めを塗る毎朝日焼け止めを顔、首、腕など紫外線が当たる部位に塗ります。 日焼け止めを選ぶ基準は、SPFとPAの数値が大きいものが良いです。 SPFとは、UV-Bを防止できる指標のことです。UV-B は肌に炎症や赤みをも

          クリエイターのためのUV対策のすすめ

          サブスク時代の「ゆるい音楽活動」と年齢について

          音楽にハマるきっかけは、10代の頃に憧れのアーティストを見つけることから始まります。その憧れのアーティストは自分の年齢があまり離れていなくて、だいたい10代後半から20代後半ぐらいでしょう。 ということは、その憧れられるアーティストになるためには20代後半までに売れる必要があります。30代になってしまえばもう時間切れ。 2000年代までは実際そうだったと思います。 しかし、今のサブスク時代には、その傾向はかなり薄れて年齢はあまり気にする必要はなくなりました。 なぜなら

          サブスク時代の「ゆるい音楽活動」と年齢について

          M3 MacBook Airで限りなく理想の音楽制作環境を構築できた

          来兎の限りなく理想の音楽制作環境PC M3 MacBook Air ヘッドホン AirPods MAX 外付SSD SanDisk 4TB MIDIキーボード Keystation Mini 32 MK3 実際にゲーム1本分の音楽を制作したので、来兎的にはハードはこの4つだけで音楽制作環境はほぼ完成形です。 なぜM3 MacBookAirなのか?先日M3のMacBook Airを購入しました。ざっくりスペックはこんな感じ。 CPU     M3 メモリ  

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          作曲に音楽理論は必要か?

          DTM界隈などでよく起こる論争に「作曲に音楽理論が必要か?」というものがあります。 作曲は、人によっては音楽の学校に通わずとも、入門書すら読まずにできるようになれます。だから、そのように自力で作曲ができるようになった人は「音楽理論は必要ない」という人も多いでしょう。 一方、アカデミックに基礎をしっかりと学び積み上げて作曲できるようになった人は「音楽理論は必要」という方が多いんじゃないかと思います。 私は、その半々ぐらいの感じです。小学4年生でエレクトーン教室に通い始めたの

          作曲に音楽理論は必要か?

          [本紹介]プロデュースの基本 (木﨑賢治)

          著者は沢田研二や槇原敬之、BUMP OF CHICKENのプロデュースを手掛けた木﨑賢治さん。タイトルの通りプロデュースについて木﨑さんの経験に基づいた法則やテクニックが書かれています。 過去半世紀、目まぐるしく変化してきた音楽ビジネスの中でもその内容は普遍的。あっという間に陳腐化してしまう音楽ビジネス系の本が多いなか、とても中身の濃い、何度も読み返す価値のある有用な本です。 その本の中から、特に私がこれ!と思った見出しを3つを紹介します。 P46 『新しいもの』とは、新

          [本紹介]プロデュースの基本 (木﨑賢治)

          今、プロの作曲家になるための現実的かつ具体的な方法

          結構よく受ける質問に「プロの作曲家にはどうやったらなれるか?」というのがあります。この質問、プロ作曲家というものを質問者がどう捉えてるのかによって返答もかなり変わるのですが、私なりに考えたプロ作曲家になる方法を書き記しておきます。 まず、ここで言うプロの作曲家の定義は、企業からの依頼で曲を作る人のことを指します。 実際にプロとしてやってる人じゃないとこの話説得力がないと思うので、軽く私の自己紹介をします。 私は、メインはゲーム音楽の作曲家なんですが、アニソンとか、CMソ

          今、プロの作曲家になるための現実的かつ具体的な方法

          仕事はタダで受けていい

          繰り返す「ノーギャラで受けるな問題」こんなポストが話題になりました。 安価な3Dモデルを販売している方が同業から忠告を受けています。 特にSNS界隈では「ノーギャラで仕事を受けてはいけない」という投稿をよく目にします。 駆け出しの頃はまず実績が欲しいので、ノーギャラや非常に安価な仕事も受けがちです。それは本当に悪いことなのでしょうか? 相場が崩れる、ノーギャラでは真っ当な責任を伴わないから駄目、クライアントに使い潰される、ギャラの額を上げられなくなるなど、ひとつひとつは

          ¥200

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          Spotifyの足切りと、考え方について

          Spitifyが年間1000再生未満の楽曲への収益配分を止めるとの発表がありました。 この件に不満を表明する人もいますが、私としては妥当というか、むしろ「お金さえ払えばメジャーアーティストと同じ棚にに並べてくれてSpotifyありがとう」と考えています。 Spotifyが普及する以前は、自作曲で稼ぐにはメジャーなりインディーなりのレコード会社からデビューするしかありませんでした。 それが今ではレコード会社に頼らず、個人が少額のお金で自作曲を世界配信し、その売り上げで生活で

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