学校閉鎖?学校から追い出される生徒たち。
株式会社Pamoja na Africa、代表取締役・三関理沙です。
今日はケニアで起きている学校の現状について少し書きたいと思っています。
何が起きている?
現在ケニアでは、100校以上が教員のストライキにより、学校閉鎖を余儀なくされています。先生たちがストライキを起こし、学校に来ていない状況であり、これに対し、生徒たちは怒って校舎に放火をする等の事件もあり、生徒は家に帰るように指示されて授業を受けられないという現状があります。
これが特に起きているのは高校です。小学校、中学校を卒業してやっと高校に入れた子どもたち、そして何とか授業料を払って教育を受けさせたいと考えている保護者にとって、とても辛い現状です。しかし、先生たちも給料が低かったり、遅れて入金されるという問題に直面しており、それに対する抗議として学校で授業を行わないストライキが頻繁に発生しています。今回のストライキもその一環です。
ケニアの教員の給与
ケニアで小学校の先生になるには、カレッジか大学を卒業して免許を取得する必要があります。小学校の先生の場合はカレッジで、高校の先生になるには大学で免許を取ります。ケニアでは先生は尊敬される職業で、なりたいと思う人も多いですが、給料は高くありません。それでも公務員として安定した給料がもらえるので、良い仕事だと考える人もいます。例えば、小学校の先生の最低月給は22,793シリング、ケニアの平均月収が20,000シリングと言われているので、比較的良い収入だと言えます。高校の先生の最低月給は28,491シリングです。経験や大学院での学位取得などでグレードが上がり、最終的にはチーフプリンシパルという校長先生にあたるポジションになると、月給は131,384シリングから159,534シリングになります。これでも生活が厳しいため、多くの先生が副業をしています。
日本のように副業を禁止する制度はなく、ケニアでは一人が複数の仕事を持つことが一般的です。先生たちは家の畑を耕したり、お店を経営したりするなどのビジネスを持っていることが多いです。そのため、学校に来る時間が遅れたり、授業を休んだりすることも普通にあります。特に休暇明けには、先生が遅れてくることもよくあります。
今回は、先生たちが給料の引き上げを求めてストライキを起こし、生徒たちは授業が受けられないまま家に帰されています。特に高校4年生(Form 4)は10月にKCSEという全国試験があり、この試験の結果で大学進学が決まるため、試験直前に授業が受けられないことは大きな問題です。9月に始まる3学期で、4年生だけ授業を再開している学校もあるようですが、先生がいない学校では4年生も帰宅するよう指示されています。
私が事業を行っているMasii地区のMasii Boys hischoolという男子校では、先生たちがストライキで学校に来ないことに生徒たちが反発し、学校に放火する事件がありました。生徒たちは、ただ授業を受けたいだけですが、解決策が見つからないままです。特に寄宿舎の子どもたちは、遠くから来ているので、せっかく時間とお金をかけて学校に来たのに家に帰されるという状況です。
学費を払えないと、追い出されるのがケニア
新学期が始まると多くの子どもたちが学校に向かいますが、学費を支払っていないために、学校から追い出される子どもが大量に出ます。これは小学校でも、短大でも、大学でもあります。私が私が見た時は、Masii Boys hischoolで見た時は、50人から60人ほどの生徒が追い出されていました。ぞろぞろと・・・。これは毎学期の恒例行事になっている感じで、地元のおじさんたちも「あの子たちは、学費払えなかったね~」とのんびりした感じで教えてくれました。保護者たちは学費の支払いが難しい状況にありながらも、遅延に対してあまり危機感がないように感じます。
ケニアの教育は進学率や修学率の面では輝かしい成果をあげていますが、実際には学費未納やストライキで授業を受けられないという現実があります。それが1日や2日ではなく、1週間、2週間と続くこともあります。特に私が活動している田舎の地域ではこのような問題が多く見られます。
このような状況を見ると、日本の教育制度に対して不満を感じることもありますが、ケニアと比べると日本は非常に安定していて、子どもたちが安全に勉強できることのありがたさを実感します。
最後に、私が支援している障害のある子どもたちは、さらに学校に通うためのアクセスや学費がないなど、厳しい状況に置かれています。これからも事業を通して、ケニアの子どもたちとその家族を支援していきたいと思います。興味がある方は、ぜひウェブサイトやSNSをチェックしてください。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。アフリカ大好きりさぴょんこと、株式会社パモジャアフリカ代表取締役、三関理沙でした。
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