あえて王道カラーを使わない大人のバレンタインが素敵【デザイン分析】
2月の一大イベントと言えば、バレンタインデーですよね。
街中には、チョコレートをイメージさせるブラウンカラーや、愛の象徴・ハートマークをモチーフにしたデザインが溢れています。
バレンタインの定番カラーといえば、赤・ピンク・ブラウンといったイメージですが、今回はピンクを使わない大人なデザインを見つけたので、ご紹介したいと思います。
ケーススタディ #004
今回参考にするのは、2021年2月1日に投稿された、URBAN RESARCHのバレンタインイベントを告知するInstagramフィード画像です。
・レイアウト
左右に分割する定番レイアウトだけど、境界線をうねうねさせることで、動きや柔らかさを表現している印象です。
左上のテキストの長さに合わせる形になっているので、無駄な余白が少なく済んでいます。
線画のイラストのテイストにもマッチしてますよね。
また、視線誘導のセオリーからすると、左から右に見ていくことになります。
女性を左、男性を右に配置することで、女性から男性へのプレゼントということを暗に示しているのかも?
そう考えると、うねうね部分が矢印のようにも見えてきました。
・フォント
タイトルや日付など、太めのセリフ体が使われており、クラシカルでカチッとした印象です。
全体的な柔らかい雰囲気にあえて揃えないことで、公式アカウントとしてのフォーマル感が保たれていてバランスがいいなと思いました。
・カラー
今回の注目ポイントは、このバナーでピックアップされた色です。
「バレンタインデー」と聞いて、多くの人は「赤・ピンク・ブラウン」をイメージすることでしょう。
色のトーン(明るさ・鮮やかさ)の具合で、可愛らしい感じや大人っぽい感じを調整することは多いですが、ハートモチーフに情熱的な赤、チョコレートのブラウン・・・という配色が一般的ですよね?
しかし今回のデザインは、象徴的な赤やピンクを使わず、バレンタイン要素はブラウンのみを残して仕上げています。
ここに、ブランドならではの顧客理解があるのではないかと思いました。
URBAN RESARCH(アーバンリサーチ)は、中価格帯のセレクトショップという位置づけで、30代を中心とした顧客層になっている印象です。
ブランド名の「URBAN」から連想されるように、都会的で洗練されたカジュアルスタイルを提案しています。
そういった背景から、メインユーザーの潜在意識として、
「私にはピンクはかわいすぎる」とか
「ピンクのプレゼントをもらうのは気恥ずかしい」
という気持ちが少なからずあるのではないでしょうか?
キャピキャピした時代は過ぎて、落ち着いた大人世代がターゲットとなるブランドが発信するバレンタインイベントということで、このようなデザインに仕上がったのかもしれません。
カラーリングによって、男女のイラストが着ている服がさりげなくリンクコーデのようになっているのも、仲の良さを感じさせて、大切な人と過ごすバレンタインを表現しているように思います。
まとめ
今回も素敵なデザインを見つけられて、とても勉強になりました。
やはりアパレルブランドが発信しているデザインは、王道からずらしてお洒落に仕上げるのがうまいな~といつも思います。
先日のFABRIC TOKYOもそうでしたね。
デザインの引き出しを増やしたい駆け出しデザイナーさんは、アパレルブランドのキャンペーンバナーを参考にしてみるのもいいかも。
特にセールバナーは、入れなきゃいけない構成要素が多いので情報整理力も鍛えられると思います。
もちろん、セオリーを知っているからこそ、そこからずらしてお洒落に決めることができるので、基本も忘れないようにしなきゃですね!
さまざまなデザイン要素の基本がまとまっているこの本は読みやすくてオススメ!
今年のバレンタインでも素敵なデザインを各所で見つけたので、またご紹介したいと思います。
それではまた次回!