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陰なるわたしのゴーストライターの話

口数が多い方ではない。
が、頭の中では陰なるわたしが四六時中喋っている。
自分以外の誰かの頭の中を覗くことはできないので、誰もがみんなそうなのかはわからない。
わたしの場合は起きた時から寝る直前まで陰なるわたしが喋っている。

noteを1週間前に始めたのだが、そこからは特にひどい。
頭の中の陰なるわたしが文章を作り、ずっと話し続けている。
時々その中から気になった言葉や文章そのものを取り出して、実際のわたしがnoteの下書きに書き留めることもある。
まるで、陰なるわたしがこれを書けと言っているかのようだ。
陰なるわたしが本当の作者で、実際のわたしはゴーストライターなのかもしれない。

頭の中でどんどん文章が作られていくので、実際のわたしは記事を書く作業が追いつかない。
陰なるわたしが話す言葉を聞き逃してしまい、あれ?なんて言ってたっけ?となることもしばしば。
そうなると逃した魚は大きいとばかりに、書かねばならない言葉だったような気がしてなんとか思い出そうとする。
だがその間にも陰なるわたしが話し続けるので、また魚を逃しそうになる。
追いつかない。

ふと、陰なるわたしの声を音声入力できたらいいのに。と思った。
頭の中に音声入力機能があって、そこでできた文章を貼り付けてnoteの下書きに転送し、実際のわたしが投稿する。
そんな機能があればいいのになぁ。と思っていたら、iPhone画面の右下に音声入力ボタンがあるのに気付いた。
お?いいこと思い付いた!
陰なるわたしが話す文章を実際のわたしがシャドーイングして声に出し、それを音声入力する。のはどうだ?
早速使ってみた。
ところが、初めの2、3文を音声入力したところで陰なるわたしが黙り込んでしまった。
何か違う。
陰なるわたしが話す言葉を実際のわたしが声にすると、別のものになってしまう。
音声入力はやめた。

こうしている間にも、頭の中で陰なるわたしの口からニョロニョロと言葉が出てきて眠れないのです。
そのうち陰なるわたしが実際のわたしを乗っ取って、実際のわたしが陰になるのかもしれません。

#なんのはなしですか

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