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#005 本屋はじめます 【どんな本屋になる? セレクト編 】 TSUNDOKU BOOKS

編集者と名乗るようになり、今年でちょうど10年が経ちました。もう10年、まだ10年。正直にいうと「10年、よく辞めなかったなぁ。頑張ったなぁ」という気持ちです。

10年前、しかもたぶんあれはまさに7月のこと。

入社した出版社は主に趣味の本をつくっており、わたしはレシピ本の部署配属に。今、思い出しても、ものすごいスピードでレシピ本をつくっていました。救急車を呼ばれそうになったこともあります。武勇伝では決してなく、絶対に戻ってはいけない道です。もう、あんな働き方はしませんさせません!(キリッ)

独立したあとも食や暮らしまわりを担当することが多く、7年間で20冊以上のレシピ本を編集してきました。この10年、わたしのそばにはいつもレシピ本があり、わたしの頭はレシピでいっぱい。だけど懲りずにこれからの10年も、たくさんのわくわくするレシピに出会いたいと思ってます!

直近の担当本2冊。どちらもとても気に入っているので、見かけたら愛でてくれたらうれしい!


TSUNDOKU BOOKSにも、食の本をたくさん集めようと思います。わたしが自信を持ってコンシェルジュできるテーマなので、レシピ本が好きなひとはもちろん、料理が趣味のひと、食べものの写真を見るのが好きなひと、だれかに作ってもらおうと画策してるひと...(笑)

無事にオープンしたら、あそびにきてください。待ってます。

カレー本の表紙は『ひらやすみ』の真造圭伍先生の描き下ろし!
こちらの漫画、本当に素晴らしいストーリーなのでぜひ、読んでほしい。

『TSUNDOKU BOOKS』の店名には、ズバリ「積読こそ、愛せよ」という大前提が込められています。積読(読んでない本がたまっていくこと)はそんなわるいことでもないし、むしろ、それはこの先のたのしみを集めているようなもの! そうです、未来のおたのしみ本です。

だけど、本を読む時間ってなかなかとれないものですよねぇ!!!!!!

もちろん、ぜーんぶ、今すぐ読みたいんですけど。一冊読んでるあいだに五冊は買ってしまうので、水前寺清子さんもびっくりのワンツーパンチです。

TSUNDOKU BOOKSでは、わたしが読みたい本をコツコツと集めていきます。多少、偏ったセレクトになるかもしれないけれど、みなさんにも一緒にたのしんでもらえるように選書したいなと思います。

「本を買うまでが読書」
「ある日、突然本が"読んで"って言ってくる」
「同じ本を買ってしまうの、3冊まではセーフ」
「本は内容がわからずに買うもの」

これはある人気編集者さんの言葉なのですが、わたしもほぼ同意!

本屋で目が合ってしまう本って、タイトルも含めて、心情や欲求をズバリ投影してることが多い。そこに自覚的になるだけでも、状況は一転したりするなぁと。本の力ってそんなところにもある気がするし、わたしはそうやってパワーをもらって進んできました。

わたしの積読本だけではなく、実際にわたしが読んで「マジでよかった!」なタイトルも揃えます。先の写真の6冊はそんな本たちの一部。お恥ずかしながら、迷いや興味がストレートに出ていると思う。解決したものもあれば、進行中のものもあり。

『本は読めないものだから心配するな』も「まさに」の本(笑)

あとは洋書たち。

バンクーバーから連れて帰ってきた本たち。
詳しくはひとつ前の記事を!

こちらもコツコツと仕入れています。といっても、小説など読みもの要素強めタイプにはまだ語学力が追いつかず、まったく手を出せません。あくまでビジュアルブックとレシピ本が中心です。

強気な価格だから、なかなか手に取れないんですよね、洋書って。だから「だれが買ってくれるんだろう? 」と思いつつ(笑)

でも、MANGAや海外の絵本は、たのしく英語の勉強に役立てられるので(わたしが)大注目している分野なんです。今回はスラムダンク、SPY×FAMILY 、鬼滅の刃(すべて1巻)と美味しんぼを買ってみました。読み比べるのがとても楽しい。

表紙をこちらに向けて飾っている、ビールの作り方本もお気に入り!

好きなテーマなら、英語でもちょっと読めたりするんですよ。中高生のときにこんな読書の方法を(いや、英語の勉強方法か?)だれかに教えてほしかったな〜と。好きこそものの上手なれ! 勉強が楽しくなったら、無敵!

ってそう上手くはいかないか。あの頃に戻っても、同じようにしか生きられない気もするし!

とはいえ、活字に苦手意識があるひとにも、生粋の本読みじゃなくても、ふらっと遊びに来てもらえる場所になるといいなあと思っています。

そんな人が来てくれたら、試しにおすすめしてみたいのは短歌。
あと、最近見つけた万葉集を令和言葉で訳した本もものすごくおもしろい。

万葉集を令和言葉で訳した『愛するよりも 愛されたい』は香川のひとり出版社の方が
まさにおひとりで作られているらしいんですよ。リスペクトすぎます。

万葉集=恋の歌がほとんどらしいのですが、今も昔も愛情の根本はなにひとつ変わってないことがわかり、これもまた人間という生き物そのものが愛おしくなります。

(無礼を承知でちょっとだけアップさせてもらいます! ほら、全部読みたくなるでしょ?)

そしてわたしが大好きな短歌。『あなたのための短歌集』より、木下龍也さんの歌です。

愛された 犬は来世で 風となり
あなたの日々を 何度も撫でる


この三十一音をいくたびなぞろうとも、まったく飽きることがありません。わたしも愛犬たちのことをたまに思い出すことがあって、彼らがくれたたくさん感情は今でも大事にとってあるし、時折思い出しているからこそ、この短歌を読むと、胸がキュッとします。クウとドラに会いたいな。

今回は選書の話が中心になりましたが、今はたくさんの人の話を聞き、本屋の「運営」の方法を模索しているところです。実店舗の着工までは、もう少し時間があるので、大きなニュースはお届けできないのですが、細かいことをコツコツと前に進めています。

引き続き! 見守っていてください! 

つづきを読む。

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