スタートアップオフレコ対談 グリー株式会社 田中氏×XTech Ventures 手嶋氏のポッドキャストを聞いて
【前編】
田中氏の幼少期、インターネットとの出会い
子供の頃から教科書もらった直後に全読するということをしていた。
人間は生きている時代によって、テクノロジーが新しく生まれたらそこからどんどん新たなものが生まれていく。
その時代におけるイノベーションに立ち会うことが必要と考えていた
高校生くらいの時にインターネットが日経新聞に載っていた。
大学の初めの時に語学留学し、インターネットに触れ、そこからインターネットでなにかしたいと考えるようになった。
インターネットと検索して出てきた関係者にとにかくインターネットをやりたいと連絡しまくった
ネットエイジ界隈でバイトして同世代の人たちと知り合った。
メルカリの山田さん、MIXIの笠原さんなど
松山大河さんが活動していて松山さんに可愛がられている後輩たちということで仲間に入れてもらっていた。
インターネット界隈の人は生き方や価値観が似ている気がしたのにびっくりした。
ソネットに新卒入社
笠原さんとか東大出て3人の会社やってる場合じゃないだろうと思っていた。
楽天の三木谷さんもハーバード出て6人の会社やってるのはおかしいと思っていた。
ソフトバンク最終落とされて、NTT内定し、ソネットに内定した。当時はプロバイダしかなかった。ソネットに入ればインターネットに関われると思って入った。
スタートアップの世界への関心、楽天への転職
インターネット✖︎スタートアップの世界に憧れがあったことがわかった。両方の世界の掛け算。
楽天に入る時はe-コマース好きではなかったが成長すると思っていた。
楽天のオークションサービスを担当。なんでもやらせてもらえたので楽しかった。
楽天のブログサービスなどを作るためにゼロからプログラミングを勉強した。とにかく人がいなくてメインのエンジニアはショッピングを作ってるので文系でも作らなければいけなかった。
グリー開発当時の原風景。趣味で始めた開発
アメリカにSNS当時CNETなど媒体があって、FaceBookの前にオーカット、フレンドスターなど流行った。
ブログもお金にならなかったが、SNSも当時はお金にならない感じだった。
周りの人たちと円滑にコミュニケーションできるサービスはニーズがあると思い自分で開発を進めた。(GREE)
出してすぐに反応があって成長した。
給料25万だったのに、サーバー代が20万で続けるために起業した。
楽天が5-10人くらいのところから知っていて、大きくなるのを見る機会はなかなかない。自分が作ってきた自負もあり、楽天が嫌いなわけではなかった。社員として楽天と交渉して出資してもらうことが落とし前だと思った。
モバイルソーシャルゲームを生み出す流れ
GREEを立ち上げた時はすでにmixiの方が成長していた。
mixiに抜かれている、など言われていたが、始めた当初から負けていた。
数年のビハインドを受け入れた上で始めている。
PCのSNSで30人くらいに成長。
モバイルに特化したSNSを作ったら伸びるのでは?と考え転換していった
面白いサービス、数千万人が日本で使うサービスはボタンを押すだけで面白いみたいな感じじゃないと広がっていく感じがしなかった。文字を書くゲームは難しすぎる。
ソーシャルゲームはSNSの要素をモバイル化してゲーミフィケーションを取り入れたもの。
コネクティングドッツというが、子供の頃から朝から晩までゲームしてたし、インターネットも死ぬほど触ったし、趣味でネットサービス作るし、楽天でベンチャーの始まりも見て、いろいろなことが交差してその時代を迎えた。
サービスを始めた前段で背景変えられるようにしたら200万くらい売れた。収益化できると思った。
上場のタイミング・スマホの台頭
リーマンショックのタイミングだったが最速でIPOしようと進めていた
数年してスマホが普及した。
ガラケービジネスがスマホビジネスになるのは大きな環境変化かと思い立ち向かった。
結果的にうまくいったものとうまくいかなかったものがある。
どれもやりきらないといけなかった。グローバルでやらないと競争に勝てない、多発的にいろいろあったがいまでもどうやって切り抜けたかわからない。
プラットフォームをグローバルに再現することができないかトライしていたが今考えるとやらない方が良かった。
エンタメとインターネット事業は全然違うと感じている。
インターネットの会社はKPIで合理的なドリブン。エンタメは数字も見るが思いや感性を基軸にするビジネス。
ゲームは当たるかわからないから合理的にキャリアを積み上げたい人は向かない。やっている人のケミストリーは全然違う。
全世界に支店を作って1/3とか収益使って海外事業部を持っていたが、日本で爆発的収益があれば続けられるが、少しでも日本で収益悪くなると厳しい、現実的でない。日本で作って世界に売れる業態に転換しないといけない。今はそういう形になっている。
ゲームを中心としたエンタメボーンは日本から世界に創り出すビジネスをするなどコンセプトが固まってきた。
ゲームだけでない会社にしたい。そうやっていかないとサービスができない。
GMOやサイバーエージェントなど見ると、この事業が倒れても、他の事業がある。そういった会社は単純な時価総額ではない価値があると感じ、そういった会社に変わっていかないといけない。
【後編】
Realityは荒木さんとやっているが最初始めたきっかけは?
ゲーム以外のことをやろうとしていて、キズナアイを見ていてグッとくるものがあった。
ユーザーの心に響くものがあった。広義のメタバース領域に投資を始めた。
VTuber事業、自分たちのアプリ上でVTuberができるRealityみたいなもの、BtoBでメタバースを助けることをやっていた。
RealityはGREEっぽく、会社で話してさらっと始めた。
ライブ配信はアバターでもいける、GREEで背景が売れたように、アバターも売れると思い続けている
2018年にバーチャル領域に100億投資した。
伊藤さん(ユーザーローカル)にこれは現代のブログって言われた。昔は「誰がブログ書くんだ?」というのが「今は誰が配信するんだ?」ということ。
海外に広めていくのに経験で活きているもの
日本から世界ワンプラットフォームを作る信念があった。いままでの教訓があったからそこでスタートできたが、なかったら悩んでいた。
バーチャル事業セグメントはグローバルに進めるという意味ではまだスロー。大きなバーチャル領域を展開していきたい。
投資事業も積極的にやっているがどのように投資判断していた?
当時から上場企業が未上場企業に出すのはちょこちょこあった。
収益を追求しないといけないのは当たり前だが、スタートアップ投資を通じて日々新しい事業の見立てをもつのが重要。そうしたネットワークを持つ。
社内でもなんでやってるのか聞かれることがあったが、そのように説明していた。
単なるR&Dだから損してもいいというわけではない。ファンド of ファンズみたいな形になれば永続的により収益が出せると思った。学びのプラットフォームでもあるが事業セグメントとして分離して伸ばしていく。
面白いと思った人には連絡して会ってきた。
昔からのつながりで投資させてもらっている競争優位もある。
プライベートなファンドだと、パートナーが解散してもそれで終わりだが、何十年もやろうと思うと経営管理をしっかりしないといけない。そういう意味でプライベートVCと物事の見方が違う。
アメリカのファンドの方はどんどんシャットダウンしている感じ。シビア。
時間の使い方
今の立場の仕事をする中で重要なのは、会社が何を集中するか、大切にすべきか。自分たちの考えを固めること。
中長期的にどうすべきなのかを考える時間がないのでそういうことを考えられる時間を作る。
メモを書いたり、図表を書いたり、頭の中で考えたりして整理する。普段から考えているからひらめく。
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