見出し画像

いわゆる『体幹が強い』ってどゆこと?

皆様ごきげんよう!

最近なけなしのクリエイター魂を刺激されて『ポンポさん』の主題歌である『例えば』をヘビーローテーションしているbusonです。初見の方、はじめましてよろしくです。

今回はスポーツ界や治療界隈で燦然と輝き続けるカリスマ『体幹』の話。

その抜群の知名度に反して、意外に機能的な捉え方が専門家の中でもフワッとしてて、改めて『体幹が強いって具体的にどういう状態?』『そもそも何でそこまで体幹が重要なの??』って素朴な疑問に明確に答えられる人って案外少ないんじゃないかなって思います。

ここでは個人的に重要だと思う『体幹機能』の概要とその構成要素について紹介し、各々が持つ体幹考察の肥やしにしてもらえればと考えています。

では早速行きましょう!

力の伝達・力源としての体幹

『体幹の役割で最重要なものを一つだけ挙げろ』と言われたら、わたしは迷わず『中枢(身体の中心)を安定させて、力(重さ)を効率的に末梢(手足)に伝えること』と答えます。

基本的なことですが、大きな力を発揮するためには支えとなる点や面が必要です。例えば重力に逆らって手足を動かす(抗重力運動)時、体幹は少なくとも頭部・胴体・一側下肢の重さを合わせた大きさの支点として運動の安定に働きます。

また、それとは逆に手足を重力方向に合わせて動かす(従重力・協重力運動)時、体幹は力の通り道として頭部からの重さを末梢まで伝達するように働きます。

一般的には前者のイメージが広く浸透しており、“体幹トレーニングはインナーマッスルや腹筋を鍛えて中枢をガチガチに固定するもの”という理解が多いように感じます。

実は重要なのは後者で、いかに体幹の機能的な柔軟性を高めながら力の伝達路としての安定性を両立していけるかで、世に言う『体幹が強い』かどうかが決まります。

余談ですが、よく武道・武術に漠然と『体幹が(ry 』みたいなイメージを持ってしまうのは、型や鍛錬法の中に後者の身体操作技術を高めるものが多いからです。

体幹機能を決定付けるのは身体の分離性(可動性)とアライメント

では体幹部でより効率的に力が伝達されるためにはどういった条件を満たす必要があるのか…今回は大きく2つのポイントについて説明します。

まず1つ目は、『脊柱(連なった背骨)と胸郭(背骨・肋骨・胸骨で囲まれた空間)の柔軟性を高める』ことです。

『体幹』を形成する脊柱と胸郭は、機能的に見れば大小合わせて100近い滑膜関節が集まった骨格構造で、本来ならとても可動性に富んだ身体部位になります。

これは関節の数だけ運動が多軸となり、様々な方向に負担を分散させることができるからです。

関節が安定して機能するためには、周囲の筋・筋膜、靭帯、関節包(関節を覆う袋)などからより正確な張力変化(伸張圧縮)の情報を取得する必要があり、その上で外部環境(五感情報)に合わせたタイミングや方向、力加減で自動的(オートマチック)な運動調節が為されなければなりません。

つまり『体幹』という巨大な関節構造体を安定して機能させるには、腹筋群やインナーマッスルの意識的な過緊張による『固定』ではなく、より滑らかな背骨の分離性(分節的運動制御)の向上や肋骨の柔軟性(特に内旋・前方下制・後方挙上方向への可動性)改善の結果で生じる『反射的な姿勢制御の学習』を図る必要があるのです。

ボディワーク界隈で『脊柱のコントロール』や『呼吸法』が共通して重要視されているのはこういったことも背景にあります。

次に2つ目は『身体のアライメント(構造的な位置関係)を整えて腹腔内圧や筋・筋膜の張力バランスを適正化する』ことです。

骨格や筋・筋膜、内臓などには身体の中で張力のバランスが取れて機能的に安定しやすい位置があり、それを『ニュートラルポジション』と呼びます。

こと『体幹のニュートラルポジション』については、口腔(頭部)・胸腔(横隔膜)・腹腔(腹部)・骨盤腔(骨盤隔膜)がそれぞれ平行に位置する時に自然に腹圧や力の伝達効率、身体の剛性が高まり姿勢が安定します。

『体幹』内の大きなドーム構造で、とりわけ安定性への影響が大きい横隔膜と骨盤隔膜のニュートラルポジション(平行位)を取るためには、前述した良好な背骨の分離性と肋骨の柔軟性が必要となります。

また様々な状況・運動の中で『体幹のニュートラルポジション』を崩さず、維持していくことで、反射的な体幹安定の姿勢制御が学習されます

以上から分かるように今回述べた体幹機能を高めるための2つのポイントは相補的な関係性なのです。

自分なりの答えはプライスレス

いかがだったでしょうか?

一先ず今後みなさんが誰かに『体幹』のことを語る時にちょっとドヤ顔できる程度の情報は提示できたかしら?

参考になった人もならんかった人も、自分の中に浮かんだ答えを大切にしてくれたら嬉しいな。

トレーニングは目標や方法、モチベーションの影響もさることながら、そこに込められたコンセプトで驚くくらいに効果が変わるから。

それぞれが持つ自分で見つけた自分だけの答え、是非実際に活用してみて下さいね。


『10スキ達成のお礼』

良かったら合わせてどうぞ。


ではまた次回予告。

古き良き伝統『ストレッチ』について。

引き続きテーマも募集してますので良かったら。

じゃあのノシ

いいなと思ったら応援しよう!