【短編小説¿】序章 消えないで。
いつだったかな。
私が初めて貴方に出会った時は。
青く澄み渡った空に
みんなを迎え終え、
役目を果たしたかのように美しく散っていく桜。
地面に落ちて消えていく。
桜の後ろには次の季節を彩る葉が
まだか、まだかと
頭を出している。
「あぁ、人間の時代交代みたいだなぁ」
とほんのり温かく甘い空気の中を
ぼんやり歩いて辿り着いた先はとある場所。
ここは私が落ち着く場所。
好きなものに溢れてて
何も考えず自分でいられる場所。
そんな場所で今日もいつもと変わらない日常を
過ごす予定。
今日は何を観よう、
何を読もう、
何をしよう、、、
この自由な時間を
好きに使って好きなもので埋め尽くすのが好き。
他のものを考えなくて良い。
この尊い時間を今日も過ごす。
ほんの少し、緊張感を感じる気合いが入るお洋服を身にまとい今日も出掛ける。
目指す場所はただ一つ。
2022/10/16
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