人材業界座談会〜採用活動のリアル〜Vol.2 中途採用編
人材業界を本業とするLiving in Peace（LIP）メンバーならではの視点で、日本の採用活動を分析！ 後半では、中途採用活動をテーマにした座談会の様子をお伝えします。
＜座談会メンバープロフィール＞vol.1新卒編と同メンバーです。
K 外国籍及び特定技能の人材紹介に従事し、現在はマーケティングやメディアで営業。以前は営業と外国籍の人の生活をサポート。
J 東京にある外資系の人材会社勤務。様々な業界、職種をカバー。コンサルタントとして、企業側への営業と求職者の面談を行う。
M 都内で、日本語が話せる外国人人材や海外経験者の転職支援を行う。これまで、企業の採用支援や求職者対応に関わってきた。
Y 総合人材サービスの会社で、人材紹介に携わる。前職が化学メーカー。
現在はエンジニアやブルーワーカーの人材の転職支援を担当。
E 企業のR &D部門の人事経験後、全社採用部門に所属。理系学生や留学生の採用、また、就活前の学生の採用マーケティングにも関わっていた。
◆中途採用に求められるのは、日本語能力と経験
---採用の難易度や求められる日本語能力など、日本での中途採用の傾向を教えてください。
Y 技能実習生や技術系の採用の場合、新卒、中途と言った分け方をしておらず、通年採用をしていることが多いですね。背景には人材不足があると思います。
技術系でも日本語能力は必要とされますが、いわゆる総合職に求められるほどのものではなく、N3レベル程度で十分なようです。建設や食品工場現場でN3を持っていると、”日本語をすごく喋れる人”という印象を与えられますね。
K 同じ技術系でも、化学系の工場だとより高い日本語能力を求めます。薬品を扱うなど危険が伴う業務もあり、日本語でのコミュニケーションが大切だからだと思います。
M 事務系の仕事だったり、大手企業・有名企業だったり、など募集枠より就職を希望する人が多いと、必然的に倍率もあがり、より高い日本語力を求められる傾向にあると言えます。
同じ職種でも、会社規模の小さいところや地方などになると、人手不足なところもあるので、その分就職難易度は下がると思います。
Y また、前職が日本だったりビザの切り替えがない人は、採用されやすいという現実もありますね。
K それから、中途だからということでもないのですが、今の日本では、新卒に比べるとフォロー体制が整っていないと感じますので、主体性や即戦力というのは重要になると思います。
---就職先が早く見つかる人の共通点は？
Y 日本語が上手なことと、経験があることだと思います。
M 突出した経験があると、唯一無二の存在になれますよね！
K 日本特有かもしれませんが、”ひとつの企業に⻑く働いている”というのも 要素だと思います。職を転々としていると、「良い条件の会社が見つかったり、大変なことがあると、うちの会社もすぐに辞めてしまうのでは」と、受け取られてしまうのかもしれません。
◆外国籍人材が必要なら、日本企業も戦略を考える必要がある
---最後に、新卒、中途採用を含めて、これからの日本での外国籍の採用はどうなっていくと考えますか。
M コロナ禍で大きく打撃を受けた小売、宿泊、飲食業界が、今後どれだけ回復するかで外国籍人材の需要が変化すると思います。
K コロナ禍で、日本で働く予定だった人たちが入国できなかったというケースも多く見られましたよね。
Y 日本は、外国からの人材に頼らざるを得ない状況になっています。特に高度なスキルを持った人材に対しては、日本語が話せなくても採用するということが増えると思いますね。
M 今後5年で、外国からの人材獲得が中国との争いになると言われています。中国も少子高齢化が進んでいて、外国籍人材を必要としているからです。世界第二位の経済大国である中国に、日本がかなわない可能性は多々あります。外国籍人材がほしい企業は、きちんと戦略を考えていかないと、人材獲得ができなくなるかもしれません。
K オンラインで業務ができる企業は、日本に住んでいることを条件にする必要もないですよね。
E そうですね。必ずしも日本にいる必要はないと考えて、採用活動をしている企業もすでに多いです。
J 私が勤めている外資系も、国籍や住んでいる場所に関係なく、良い経験があれば社員にしていくと思います。実際、日本人なのか外国人なのか問わず、どの国出身でも、日本語力と経験さえあれば採用することが多くなりました。
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以上で座談会記事は終了になります。
この記事を読んでくださった新卒・中途採用で日本での就職を目指す人は、目標に向けてスキルアップをしましょう！！
執筆：里見 春佳（Living in Peace）
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