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「いつでもおいでや」 無条件に受け入れる言葉の持つ力
昨年の8月に企画・実施した、ステップハウスとも(大阪市西成区で身寄りのない若年女性の自立を支える、荘保共子さんの取り組み)の運営資金を集めるクラウドファンディング。
企画を取材してくださったノンフィクションライター、飯島裕子さんによる記事では、ステップハウス利用者(DV被害から逃れてきたAさん)の次のような声が取り上げられていました。
荘保さん:うちのことをどうやって知ったんだっけ?
Aさん:誰にも相談できなくて、”ひとりぼっち”って言葉がこれほどあてはまる人もいないんじゃないってくらい孤独で……。誰かと話したくて「いのちの電話」とかにかけたんです。でもお話し中でつながらなかった。その時思い出したのが前に観たこどもの里の映画『さとにきたらええやん』の予告編だった。「行ってもいいですか?」って電話したら、荘保さんが出て「いつでもおいでや」って。あの時、繋がらなかったら準急にひかれてたかもしれない。(出典:親による虐待から逃れた女の子が安心して暮らせる家)
このやりとりから、アルジェリア生まれのユダヤ系フランス人である哲学者、ジャック・デリダが「来訪者の名前さえ尋ねず無条件に来訪者を受け入れる態度の価値」について語っていたことを思い出しました(『歓待について』)。
これは、「来訪者を条件付きで承認する」という、暴力的なものに転じかねない態度とは対極にあるものです。
ステップハウスにたどり着いたAさんはその後、さまざまな支援機関に繋がり、支えを得ていきます。しかし何より、Aさんがそこたどり着けた、そのことを可能にしたのは、荘保さんの無条件に来訪者を受け入れる態度、「いつでもおいでや」という言葉以外の何物でもないでしょう。
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さて、Aさんの経験を物理的に引き延ばしてみます。現在この地球上には、紛争や迫害などで家や故郷を失い、命を守るために移動を余儀なくされた8000万もの人々(難民、国内避難民)がいます。いまだ難民受け入れがまったく充分でない日本にあっても、2.5万人が生活しています。
わたしたちLiving in Peaceは、2018年に国内で生活する難民の方々の機会保障を目指す難民プロジェクトを立ち上げ、2019年からは日本国内に暮らす難民の方を対象に、オンラインの日本語学習支援「LIP-Learning」の提供を開始しました。
言葉は、もっとも基礎的な生きる力です。私たちがしばしば用いるペルソナ(人格)という言葉も、その原義は「声を上げる」です。
そしてこのたび、難民プロジェクトではクラウドファンディング「『話せない、つながりがない…』 来日した難民の方々に日本語学習を提供したい!」を実施し、さらに支援を広げるための資金を集ることになりました(実施期間 6/8-8/14)。
私たちの生きる日本が、誰に対しても「いつでもおいでや」と、つねに扉をひらいた社会であれるよう、Living in Peaceは難民の方々の支援を通じても、その実現を目指してまいります。
どうか温かいご声援をいただけますよう、心よりお願い申し上げます。
―お知らせ―
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— 認定NPO法人 Living in PeaceこどもPJ (@lip_edu) October 20, 2019
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