【西武ライオンズ 今日の見どころ】42年前にもあった「魔の6連敗」 引退試合の内海に恥ずかしくない試合を
●42年前にもあった 優勝争いから転落の6連敗
【19日◇ライオンズ‐イーグルス23回戦(ベルーナ)14:00】
「魔の6連敗」と聞いてピンと来たライオンズファンのあなたは、おそらく40代後半以上の年齢だろう。
パ・リーグが前・後期制を採用していた1980年、埼玉移転2年目だったライオンズは、最下位に終わった前期から一転、後期はエース東尾修や松沼雅之、主砲の田淵幸一、新外国人スティーブなどの活躍で、優勝争いに加わってみせた。
シーズンが残り14試合となった9月26日、ライオンズは2位近鉄バファローズと2.5ゲーム差の首位に立ち、続く試合に勝利すれば、2位以下のチーム次第で、優勝マジック「10」が点灯するところだった。
ところが、28日の阪急ブレーブスとのダブルヘッダーで、ライオンズは2連敗してしまう。さらに29、30日にも敗れて首位陥落。翌10月1日の南海ホークスとの試合にも敗れると、3位に転落。
結局、連敗は6まで伸び、マジック点灯の目前まで迫っていたライオンズは、最終的に4位で後期シーズンを終えることになる。
埼玉移転後、初優勝への期待が高まるなか、あっという間にBクラスへと転落する要因となった、この9月28日から10月3日までの6連敗を、当時のメディアやライオンズファンは「魔の6連敗」と呼んだのだ。
あれから42年。シーズンが残り13試合となった9月11日の段階では、首位とゲーム差なしの2位にいたはずが、そこからの6連敗で一気に4位へと転落。まさに「魔の6連敗、再び」となってしまった。
●内海哲也 19年間の現役生活に終止符
こんなチーム状況で、引退試合を迎える内海哲也の心境は、いかばかりなのか。1軍公式戦通算335試合目、ライオンズ加入後11試合目となるマウンド。
対戦相手のイーグルスには、図らずも内海移籍のキッカケとなった炭谷銀仁朗がいるのも、何かの縁か。
内海と炭谷と言えば、昨シーズンの交流戦。内海がライオンズに移籍してから、初の東京ドームでの凱旋登板となった6月3日のジャイアンツ戦、2回裏の第1打席で炭谷が、内海の登場曲「PRIDEのテーマ」を使用。その打席でホームランを打った「因縁」もある。
1年前の松坂大輔のように、打者1人限定の先発なのかは分からないが、どこかで炭谷との対戦が実現したならば、演出としては面白い。
●42年前は 中1日で志願登板した東尾が連敗ストップ
1980年の連敗を6で止めたのは、東尾修だった。この2日前、東尾は6連敗の4試合目だった10月1日の南海戦で先発、敗戦投手となっていた。
連敗を止められなかった自責の念からか、エースのプライドからなのか。東尾は中1日での先発を志願。ファイターズ相手に見事6安打完封して、チームに7試合ぶりの勝利をもたらした。
42年前の東尾のように、内海にはぜひ、そのピッチングで、迷走するチームに奮起をうながしてもらいたいし、ライオンズの選手たちには、グラウンドを去る偉大な先人に、恥ずかしくないプレーをする責任がある。