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犬と猫の歯周病③

人においては、歯周病の初期は痛みなどの症状が少ないため、気づいたときにはかなり進行してしまう場合があるので注意が必要とされています。
今回は、歯周病どのように進行してしまうのかをみていきましょう。
犬と猫の歯周病に気づくためのチェックシートもご紹介します。

■歯周病のメカニズム

歯周病は、歯肉(歯ぐき)でおこる炎症を総称しており、初期の歯肉炎にはじまり歯周炎へと進行していく病気です。

歯周病でおきるこれらの炎症は、主に歯と歯肉の間にたまった歯垢の中にいる細菌(特に歯周病菌といわれる悪玉菌)によって引き起こされます。
歯と歯肉の間に歯垢・歯石が付着していくと、細菌の表面物質や細菌がつくる毒素によって歯肉に炎症が起きます(歯肉炎)

歯肉炎を放置していると、歯と歯肉の間に深い溝ができます。
これを歯周ポケットといいます。
歯周ポケットの底の方では、強い病原性をもつ細菌(歯周病菌)が増え、炎症も歯の根元にまで進むことがあります。
そうすると、歯を支えている骨(歯槽骨)などの歯の周りの組織まで壊されてしまう歯周炎に進行していきます。

歯周炎が悪化すると、歯の根元に膿が溜まってしまったり、歯がグラグラと動いたり、抜けてしまう症状がでることもあります。

図37

図36


■歯周病予防のために

歯周病を予防するために大切なのが歯みがきです。
特に、歯ブラシを使って歯周ポケットの中にまでたまった歯垢を取り除いてあげることが歯周病予防のポイントになります。

しかし、既に症状が進行している場合は、動物病院にて歯周病の治療・処置をうける必要があります。
そして、歯周ポケットの中までキレイにできたら、そのあとは歯垢がたまらないように歯みがきをすることが、歯周病の再発を防ぐための予防方法です。

■歯周病チェックシート

歯周病は痛みを伴う病気ですが、犬猫は自分から言葉で痛みを伝えることができません。
飼い主が気づかない内に悪化してしまう例もあります。
「口臭がきつくなった」「普段と食べている様子が違う」など、飼い主が気づくことができるポイントもあります。

こちらのチェックシートを参考に気がついたことがあれば、早めにかかりつけの動物病院に相談しましょう。

図18


「犬と猫の歯周病」について全3回にわたって解説いたしました。
この機会に、皆さんの愛犬・愛猫のお口の健康を守るために、お口をチェックしてみてはいかがでしょうか?


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