コペルニクス 第18章
通常、目を開けたら最初にすることはメッセージの確認だ。4つの異なるタイムゾーンにソフトウェアエンジニアが散らばっているため、過去3年間、一度も朝起きたときにメッセージが来ていないことはなかった。まるでベッドのそばで起きるのを待っている子供のようにメッセージが届いているのが普通だった。しかし、今日は携帯には何も入っていなかった。慌てた。どうしてそんなことが可能なんだ?
時計を見ると8時21分。朝食は8時の予定だった。メッセージはゼロ。何か恐ろしいことが起こっているのか?
SMSネットワークがシャットダウンされたのか?
それともコペルニクスが?
目をこすりながら、まさかチーム全員が逮捕されたのかと思った。たとえそうでも、仲間は逮捕される前に警告のメッセージを送るはずだった。それなのに何もない。
慌てて携帯を再起動したが、結果は同じ。メッセージは来ていない。
「くそ!」
これしか言葉が出てこなかった。
「携帯がやられたんだ。」
こんなことが起こり得るなんて、全く分からない。自分のBlackphoneはセキュリティ面では「ステロイド状態」だと信じていた。誰にもハッキングされない、無敵のデバイスだと仲間に自慢していたんだ…かつては。
ノートパソコンを立ち上げ、メールを確認したが、1時12分以降のメールは何もない。流れが断たれている。バックドアからメールサーバーにアクセスしてみたが、やっぱりダウンしていた。奴らに見つかったんだ。最悪だ!
古い携帯を分解し、タイルの床に叩きつけた。ほとんど意地だった。角が割れ、狂ったように解体し、回路基板が裂ける音を聞いた。緑色の心臓が光の中にさらされ、私はそれを木の枝のように折った。
バックパックから予備のBlackphoneを取り出したが、少し躊躇した。最低でも15回のバウンスを使った。目まぐるしいほどの効果で、誰も私のセキュリティの堀を突破できないと確信していた。しかも新品の電話ならなおさらだ。それに、コペルニクスと話す必要があった。
新しいBlackphoneは正常に起動した。
メッセージは来ていなかったが、新しい電話と番号を持ったことで少し気持ちが落ち着いた。コペルニクスを接続し、青いライトが点くのを待った。LEDは不安定な淡い黄色のままだった。
「コペルニクス?」
突然の孤立感に襲われた。まるで無人島に取り残されたような気分だ。周囲を駆逐艦の船団に囲まれ、背中にスマート兵器が狙いを定めているように感じた。まるでレーザーの冷たい熱が背中を狙っているのを感じるかのようだった。
彼が私を見限ったのか、それとも奴らが彼をシャットダウンする方法を見つけたのか?
どちらにしても唯一あり得る答えは、コペルニクスが私を離れた、ということだった。
彼は完全に自由だった…私からも。
私は微笑んでいたと思うが、その微笑みの下には、不安な感覚がよぎっていた。それはまるで地震の数分前に犬が感じるという予感のようなものだった。