旅のきっかけと15分間のフェリー|イスタンブール
じつは今回のイスタンブール行きはひょんなことから決まった。
夫の職場にいるトルコ人の学生さん2人が、9月下旬の3日間、イスタンブールで開催されているとある講座に参加することになっていた。
9月半ばまでは仕事が立て込んで、みんな夏休みを取らずにいたため、講座のあとそのまま帰省できるようにしたらしい。
わが家でもちょっと息抜きしたいね、と言っていたところ、「こっそりイスタンブールに行って驚かせようか」と思いついた夫。
ためしに航空券を探すと、夏休み明けのためか破格の値段。宿も予約サイト「booking.com」の息子のアカウントから半額で取れる。(南米放浪でランクが上がった)。
もう冬に片足をつっこんだようなドイツと違い、天気もよく暖かいとくれば、もう行くしかなかった。
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イスタンブールに着いてすぐ、空港の地下鉄乗り場で写真を撮って旅のきっかけとなったふたりにサプライズ(迷惑)メッセージを送った。
残念ながらひとりは同行の奥さんとお子さんが体調不良ということで離れられず。でももうひとりの女子学生 Pさんはぜひ会おうと言ってくれた。
なんでもトルコの朝ごはんは特徴的なのだそうだ。それを一緒にどうか、とのことだった。
さて、待ち合わせの場所は、朝ごはんで有名な店が並ぶという新市街方面のベシクタシュ(Beşiktaş)。
旧市街からはフェリーで行ける。地下鉄や市電のように海上交通も市民の足となっている。
そう小さくはない船が、ひっきりなしにターミナルに着いては出ていく。くるりとかじを切って乗船口を乗り場に着け、またいとも簡単に方向を変えて海に滑り出す。
トルコ国旗を掲げ、風を切って進む様子に、この海とともに生きてきた人々の歴史が垣間見え、胸が熱くなった。
ボスポラス海峡を15分ほど北上する。
進行方向の右手はアジア、左手はヨーロッパである。それもまた感慨深い。船にはもちろん涙ぐんでいる人はおらず、場違いにならないようにこらえた。笑
さて、ベシクタシュに到着。
もう着いているはずのPさんを探してうろうろしていると、両腕を上げて手を振りながら近づいてくる姿が見えた。
せっかくこれから休暇だというのに、なんでここまで来てボスに会おうと思おうか(いや思わない)。
一歩間違えるとパワハラにもなりかねないんじゃ?という心配をよそに、Pさんと夫は、1年ぶりに会う友人のように大げさなアクションでハグしている。
仕事に関してはわりと厳しいボスのようだが、それほど疎ましく思われてはいないようで安心した。笑
というわけで、トルコの朝ごはんは明日の記事で。ではでは。