今週の広告より|ドイツのスーパー
ポストに広告が入った。
毎週発行の薄い冊子になっているドイツの大手ディスカウントスーパーのものだ。
店には9月のうちからクリスマスのお菓子が並べられおり、すでに食傷気味(買ってもいないのに)の感もある。
そんな中、今週の特集はクリスマスシーズンの食卓へのおすすめだった。
早いな、とは思うが、もう一日中一桁の気温。今週末は「降れば雪」というところまで下がりそうで、この画柄もそれほど場違いには感じられない。
読み進めるとこんなページが。
Faschingというのはカーニバルのこと。
カーニバルといえば2月のイメージで、「もう?!」となるが、それには理由がある。
じつは、カーニバル期間の始まりは11月11日とされている。厳密には11月11日11時11分にその精霊が目覚めるというのだ。それを盛大にお祝いする地域も多い。
みんな大好きなドーナツはカーニバルのお菓子。2月のカーニバル後、「灰の水曜日」から復活祭までの四旬節は祈りと節制の期間となるため、古くはカロリーの高いものを食べて脂肪を蓄えるという術でもあったわけだが、11月から始めていたら大変なことになりそうだ。
でもまあ、この広告に関しては「今売りたい人」と「今食べたい人」ウィンウィンになるからいいのだろう。
そして後ろのほうで目を引いたのはこちら。
アグリー・クリスマス・セーターというのだろうか、冗談半分に着て楽しむ「やり過ぎ感のあるセーター」だ。日本では「ダサセーター」や「駄セーター」と訳されるらしい。
元は英語圏で始まったものらしく、ドイツではそれほど盛り上がっていないようだが、ここ数年は街の店に並ぶようになっている。
Lidlといえば、在留邦人の中には「ちょっと私は…」と敬遠する人も多いようなディスカウントスーパーである。そのロゴを惜しみなく入れているところがなかなか攻めている。
かといって、たとえば紀伊國屋とか明治屋のをわざわざ着るというのは、軽く「いけすかなさ」が加わってさらにダサさが増すように思うがどうだろうか。両店ともセーターは作らないだろうけど。
そうやって笑ってはいるものの、これを買うか迷う人も多くいるかもしれない。どういうことかというと……
何年か前、このスーパーは店のカラー(青、黄、赤)を使ってしっかりロゴも入れたスニーカーを販売したことがあった。これもおそらくこのセーターのような趣旨の限定企画だったと思う。20€ほどだったようだ。
それがどういうわけか、その後オークションサイトで高値がついた。どんどんエスカレートし、500€まで跳ね上がったと聞いたが、ためしにいま見たら819€で売られている。
さて、広告のセーターは7.99€。
買うことはないと思うが、ちょっと見に行ってこようかな。