【LAiR’s Artist】 蓮池ヒロ
Profile
蓮池ヒロ / Hiro Hasuike
フォトグラファー
1993年、静岡生まれ。Web媒体を中心としたフォトグラファー・ライターとして2018年に独立。「テントテン(点と点)」をステイトメントとして、作品制作と仕事に取り組む。写真を通じて外界と繋がり、世界が広がった経験をしたことで、様々な事象を点と捉えて紡いでいき、関わった方に小さな変化を起こす機会を作り続けたいと思うようになる。
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作品紹介
金沢で感じたHYGGEな情景をデジタルで撮影して2枚を組み合わせ、リソグラフ印刷という技法で残した作品です。
LINNAS KanazawaとLAiRのテーマである「HYGGE」は、居心地の良い空間と時間という意味です。私なりの解釈では、HYGGEは「日常の余白」「たりなさ」に通ずる部分があると思っています。
日常では全て思い通りになる完璧な日なんて、ほとんどありません。むしろ、完璧を目指しすぎると心が疲れてくる。ちょっとした余白の時間や至らなさにこそ、日常を豊かにするコツが詰まっていると、今回の金沢での暮らしで気付くことができました。
だからこそ、私なりのHYGGEな情景をリソグラフ印刷で表現したいと思いました。リソグラフ印刷は色ムラや版ズレ、混色などが起こるため、仕上がりの予測が難しいという特徴があります。まさに完璧とは程遠い、余白とたりなさが詰まったロマンある技法なのです。
今回の作品にも版ズレやローラー跡、色ムラが発生しています。インク落ちもするため、今後は色合いも変わってくるかもしれません。このような要素はLINNASという場所に馴染み、宿泊者が旅の合間にHYGGEを感じられる手助けとなることを期待しています。作り手としても作品の変化は楽しみですね。 作品の解釈に正解はありませんが、鑑賞された方が「これはなんだろう?」「ここってどこかな?」と、自分や周りと対話できるような作品になっていれば嬉しく思います。
LINNASアーティストインレジデンス企画【LAiR】について
LINNASは「街の中のちいさな複合施設」として、その地域の中の人、外の人、様々な人が行き交うHUBにしていきたいと考えております。そのためにアーティストの方々が訪れる機会を創り、多様性を生み出していきたいと考えています。
また、ホテルとしてのコンセプトは「ヒュッゲ」を掲げています。ヒュッゲとはデンマーク語で「居心地の良い空間・時間」を意味する言葉です。宿泊されるゲストには、そんな豊かさを感じるひと時を提供します。そしてこの感情を、日常にも持ち帰っていただけたらと思います。
豊かな日常を分解していくと様々な要素があるかと思いますが、LINNASが提供したい「豊かな日常」の一つに「アートのある日常」があります。
家で過ごす時間が長くなった今、家の中にアートがあることで気持ちが明るくなったり、癒されたりするのではないでしょうか。
LINNASではアーティストインレジデンスで滞在してくださったアーティストの作品をお部屋や共用部に飾っていくことで、宿泊する人たちに「アートのある日常を試着」していただきたいと考えています。