診察で精神科医に何を質問するか
私はソーシャルワーカーとして日々クライエントの相談に乗っていますが、その中で多い相談として「診察で何を話せばいいかわからない』というものがあります。
担当としておつきし、面談する中で、現状を整理し、困りごとを見つけ、解決策を考え、取り組んでいく伴走者としてソーシャルワーカーはいるわけですが、診察で何を相談するかの相談にもお乗りしています。そうするとたくさん気になっていることはあるわけです。診断名は?薬の効果は?いつまで飲むの?やめられないの?、、、、
当院のように伴走者がいる医療機関は少ないですし、当院でも担当がついていない外来の方は多くいらっしゃるので、ぜひ今回紹介するツールをご活用いただきたいと思います。
精神科の診療時間の有効活用ツール
こちらは、主に統合失調症を持つ人が精神科外来で主治医にききたいことをきき、より良いコミュニケーションをするために、と作られた意思決定支援ツールです。しかしどの質問も病名にかかわらず、皆さんが気にされる疑問だと思います。
例えば抜粋しますと・・・
「診断ははっきり決められますか?病名はなんですか?」
通院している方の中には自分の診断名について聞いたことがないという方も多く見受けられます。「診断書に書いてあったから、そうなのかな」と思っているけど、実際に聞いたことがないとか、どういう診断基準で診断されたのか知らないとか。診察を受けて薬をもらい治療を受けるからには診断名は知っておきたいですよね。
「この薬の効果と副作用について教えてほしい」
そして飲んでいる薬についても、ご自分が飲む薬について何に効いているのか把握しなければ、診察で薬の相談はできません。それに他科であれば、効果や副作用のよくわからない薬を飲むってあまりないですよね。ぜひ聞いてほしい質問です。
「処方された薬を飲んで不調になったらどうしたら良いですか?」
初めて処方された薬を飲む時、副作用で眠気、ふらつき、吐き気などが出る場合もあります。そういう時に飲まない方がいいのか、再受診したほうが良いのか、不安なところですよね。
このように質問促進パンフレットに記載がある内容はどれも話し合うべき内容だと思います。
ただ、精神科の外来は通常5分、長くて10分程度の診察ですから、もちろんこれらの質問すべてを1回の診察で、というのは不可能です。今気になることを少しずつ主治医に聞きながら、やり取りしていけることを願います。
あるいは初診は通常外来よりも時間を取ってもらえると思いますので、こうした質問リストの中で気になることを聞く準備をしておくことも良いかもしれませんね。
さいごに
ご紹介したツールのホームページに、「どんな治療をするのか、どんな生活をしていくのかを、自らの考え方や価値観、人生観に沿って、周りのサポートを受けながら、主体的に意思決定していく」(https://decisionaid.tokyo/)という文言がありますが、まさしく治療は皆さんの希望の実現、皆さんらしいライフスタイルの獲得のためにあるので、受け身ではなく、主体的に治療に参加していただきたいと思います。