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環境問題が心臓血管の健康に与える影響

心血管疾患を抱えて暮らす人々が、主に21世紀の人類の健康に対する最大の脅威である気候変動が原因で、劣悪な大気環境と極端な気温の影響を不当に受けているという確固たる証拠がすでに存在しているようだ、というレビュー報告。

『 Canadian Journal of Cardiology』誌 の特別号において、専門家らは気候変動がどのように発生し、心血管疾患のリスクを増大させるかを包括的にレビューし、気候変動に対処するための実践的なヒントを提供している。

少し前まで、気候変動は希少種にのみ影響を与えると考えられ、多くの人に無視されていた周辺的な話題だったが、『2019 年の世界疾病、傷害、危険因子調査 (GBD) 』では、2019 年に大気汚染が原因で 900 万人が早期に死亡したと推定されている。これらの死亡のうち 62% 近くが心血管疾患に関連しており、気候変動は一般的な健康問題というだけでなく、主要な心血管系の問題でもあるという事実が浮き彫りになっている。

この特別号は、ヒューストン メソジスト病院ドベーキー心臓血管センターの サデール・アルキンディ(Sadeer Al-Kindi) 医師、ブリティッシュ・コロンビア大学のマシュー・ベネット(Matthew Bennett)医師、モントリオール心臓研究所のダニエル・ギャニオン(Daniel Gagnon)博士、ハリントン心臓血管研究所のサンジェイ・ラジャゴパラン(Sanjay Rajagopalan)医師、およびモントリオール大学 のフランソワ・リーブ(François Reeves) 医師による客員編集である。

客員編集者らは次のように述べている。「カナダのブリティッシュコロンビア州で619人の熱関連死亡をもたらした2021年のヒートドーム、欧州が最も暑く推定61,672人の熱関連の死亡者数を記録した2022年の夏、そして米国北東部の広大な地域で大気の質の悪化を引き起こした2023年夏のカナダ・ケベック州の山火事のせいで、極端な暑さと空気の質の悪さによる健康への影響が最近特に注目を集めています。この文脈において、環境が心血管の健康にどのように影響を与え、それをいかに建言するかを理解することは、かつてないほど重要になっています。」

「気候変動と心血管疾患の関連性は明らかです。心臓血管医療従事者は、医療のリーダーおよび教育者として、環境要因が心臓血管の健康に及ぼす影響を最小限に抑える上で主導的な役割を果たすことができます。現在進行中の研究と将来の研究は、より温暖な地球で繁栄するために、心臓血管の健康に対する環境要因の影響を管理するのに役立つでしょう」と客員編集者らは結論付けている。

出典は『Canadian Journal of Cardiology


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