妊婦は超加工食品、ファーストフードを避けるべき
ファストフードや超加工食品の摂取は、妊娠中のフタル酸エステル類のレベルの上昇と関連しているようだ、という研究報告。
研究者らは、2006 年から 2011 年の間に登録されたテネシー州メンフィスの妊婦 1,031 人で構成される、「幼児期の神経認知発達と学習に影響を与える条件 (CANDLE)」研究コホートのデータを解析した。フタル酸エステルのレベルは、妊娠中期に採取された尿検体を用いて測定された。
解析の結果、超加工食品が参加者の食事の10~60%、つまり平均38.6%を占めていることが明らかになった。また、超加工食品の食事割合が 10% 高いと、最も一般的で有害なフタル酸エステルの 1 つであるフタル酸ジ(2-エチルヘキシル) の濃度が 13% 高まった。
研究者らによると、超加工食品は主に油、砂糖、デンプンなどの食品から精製された材料から作られているが、見た目や保存期間を向上させるために加工や化学物質や保存料の添加によって大きく変化させられているため、元の形がわからなくなっているものが多い。これらの中には、例えば、パッケージ化されたケーキミックスや、パッケージ化されたフライドポテト、ハンバーガーバンズ、ソフトドリンクなどファストフード食品が多く含まれる。
またファストフードに関しては、従業員が着用する手袋や、保管、準備、配膳用の設備や道具が主な曝露源となる可能性がある、と研究者らは指摘している。
「超加工食品を摂取すると、フタル酸エステル類への曝露が増加する可能性があります。社会経済的障壁により、フタル酸エステル類への曝露を減らす唯一の手段としての食事の推奨ができない可能性があるため、食品の包装や加工による食事からのフタル酸エステル類への曝露を減らす政策が必要です」と研究者らは結論付けている。
出典は『Environment International』
http://dx.doi.org/10.1016/j.envint.2024.108427