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母乳育児は乳児の微生物形成と肺の健康促進に極めて重要
ヒトの母乳は、乳児の生後1年間の微生物の混合、つまりマイクロバイオームを調節し、これにより、子どもが喘息を発症するリスクが下がるようだ、という研究報告。
研究チームは、生後1年間の乳児の腸内と鼻腔内の微生物の増減、授乳の詳細、母乳の成分を追跡した。すべての子どもとその母親はCHILDコホート研究に参加していた。これは3,500人のカナダの子どもを子宮から思春期まで人生のさまざまな段階において研究する長期研究プロジェクトである。
CHILDコホート研究によって提供されたデータにより、研究者は、母乳育児が乳児のマイクロバイオームに与える影響を、出生前の喫煙への曝露、抗生物質、母親の喘息歴など、さまざまな環境要因から切り離すことができた。これらの要因を考慮した場合でも、母乳育児の期間は、時間の経過とともに子供の微生物構成の強力な決定要因であり続けることが明らかになった。
研究者らは、これらの微生物の動態と母乳成分のデータを使用して、何年も前に喘息を正確に予測する機械学習モデルをトレーニングした。そして、因果関係を学習するための統計モデルを作成し、母乳育児が喘息のリスクを軽減する主な方法は、乳児のマイクロバイオームを形成することであると示した。
「私たちが開発したアルゴリズムは、乳児の生後1年間の微生物の動態と、これらの微生物が乳児とどのように相互作用したかについて貴重な洞察を提供します。これらの洞察により、関連性を特定するだけでなく、予測を行い因果関係を調査する能力を高めることができました」と研究者はコメントしている。
出典は『Cell』
http://dx.doi.org/10.1016/j.cell.2024.07.022