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母親の食べる環境プラスチック粒子が胎児に届く
ほとんどの食物や水に含まれるナノスケールのプラスチック粒子が、妊娠中のラットから胎児に移行し、胎児の発育を損なう可能性があるようだ、という米国ラトガース大学からの研究報告。
「多くのことが不明なままだが、これは確かに懸念材料であり追跡調査を必要とする」と研究者は述べている。
環境に曝露している何十億トンものプラスチックから浸食によって微細な粒子が飛散している。これが我々の食品や空気に混じっており、典型的にはヒトは毎週クレジットカード1枚分を消費している。
先行研究から、これらのプラスチックが食品に含まれると、子孫にさまざまな障害が生じることが分かっているが、母親が子宮内でプラスチックを胎児に移行させたかどうかは不明だった。
研究チームは、標識したナノスケールのプラスチックを5匹の妊娠ラットに摂取させた、イメージング技術によりそれを可視化した結果、プラスチック粒子が、胎盤と胎児の肝臓、腎臓、心臓、肺、脳に浸透していることを発見した。
この結果は、摂取されたナノスケールのポリスチレンプラスチックが、妊娠動物の腸バリア、胎盤のバリア、そしてすべて胎児組織のバリアを通過するを示唆している。
「今後の研究では、さまざまな種類のプラスチックが細胞バリアをどのように通過するか、プラスチックの粒子サイズがプロセスにどのように影響するか、およびプラスチックが胎児の発育にどのように害を及ぼすかを調査する予定である」と研究チームは述べている。
出典は『Nanomaterials』