梅肉エキスはマウスの高血圧を予防する
梅肉エキスを摂取したマウスは高血圧を発症大動脈の肥大が最小限であった、という米国テンプル大学などからの研究報告。
研究チームは、マウスモデルにアンジオテンシンIIを投与して高血圧を誘発した。介入群には梅肉エキスを含む水を、対照群には含まない水を与えた。
梅肉エキスを与えられたマウスは高血圧を発症せず、これらの動物の組織分析により、梅肉エキスがアンジオテンシン II の影響から血管系を保護していることが示されたという。特に、梅肉エキスを与えたマウスでは大動脈の肥大(成長と拡大)が最小限であったのに対し、対照動物では顕著な大動脈肥大が見られた。梅肉エキスは、高血圧に関連する炎症過程を引き起こす免疫細胞の浸潤も弱めた。
高血圧では、細胞環境で利用できる酸素が少なくなるため、細胞は好気性代謝から解糖系に移行する。この切り替えにより、高レベルの酸化ストレスが生じ、炎症が悪化して血管が硬くなり、最終的にはより重度の心血管疾患が発症する。細胞実験の結果、梅肉エキスは、解糖系への移行を防ぐことが示され、肥大や炎症の根底にある有害な代謝変化を軽減することで、アンジオテンシンII誘発性高血圧を防ぐことが示唆された。
研究者らは次に、梅肉エキスに含まれる保護効果の原因となる特定の化合物を特定する計画を立てているという。
「2つまたは3つの化合物が一緒に作用している可能性があり、これが梅肉エキスが健康食品として人気がある理由を説明する可能性があります」と研究者は指摘している。「複数の化合物が一緒に作用すると、医薬品では失われる、相加効果や相乗効果が生じる可能性があります。」
http://dx.doi.org/10.1038/s41440-023-01332-9
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