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大量飲酒とメタボがアルコール性肝疾患関連死の急増に寄与?
メタボリックシンドロームと最近のアルコール関連肝疾患(ALD)死亡の増加との関係から、大量の飲酒とメタボの存在が進行性肝疾患のリスクの上昇と関連していることが判明した、という米国南カリフォルニア大学からの研究報告。この関連性は、最近のアルコール性肝疾患関連死亡率の急増について何らかの説明を与える可能性があるという。『Annals of Internal Medicine』に掲載された。
ALDによる死亡率は、ハッキリしない原因で、かつその間の飲酒率が安定または減少していたにもかかわらず、2009年から2018年にかけて急増した。
メタボの寄与について疑いをもった研究チームは、米国国民健康・栄養調査(NHANES)の1999年から2018年のデータを用いてそれを検討した。
参加者は、飲酒とメタボ に基づいて 6 つのサブグループに分けられた。メタボなしで飲酒なし (7,204名)。メタボなしで大量飲酒なし(17,475名)。メタボなしで大量飲酒あり (805名)。メタボありで飲酒なし (6,818名)。メタボありで大量飲酒なし (9,516名)。メタボありで大量飲酒あり (406名)。大量飲酒は、女性の場合は1日あたり2杯(合計12液量オンス)、男性の場合は1日あたり3杯(合計18液量オンス)と定義された。
モデル解析の結果、メタボあるなしに関わらず大量飲酒はALDの増加を説明しないことが示された。けれども、メタボあるなしに関わらず大量飲酒による進行性肝疾患の増加を示しており、特にメタボありの大量飲酒による進行性肝疾患の増加が最も大きかった。線維症-4(FIB-4)スコア(進行性肝疾患の代用指標)が高いと、FIB-4スコアが低い場合に比べて肝臓関連死亡リスクが25倍高いことが指摘されていた。研究チームによると、これらの発見は、最近のALD関連死亡率の急増に寄与している可能性があるメタボと大量飲酒の相互作用効果の増大を示唆しているが、その理由は完全には明らかではないという。
出典は『Annals of Internal Medicine』
http://dx.doi.org/10.7326/M23-0518