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無糖のキャンディーやガムでガスが出る理由
抗生物質や高脂肪食の後に腸内細菌が減少していることが「ソルビトール不耐症」の原因かもしれない、という研究報告。
糖アルコールの一種であるソルビトールは、無糖ガム、ミント、キャンディーなどの製品に使用されている。また、アプリコット、リンゴ、ナシ、アボカド、その他の食品にも自然に含まれている。ソルビトールが高濃度にあると、膨満感、けいれん、下痢を引き起こす可能性がある。人によっては、たとえ少量でも消化不良を引き起こし、ソルビトール不耐症として知られる症状を引き起こす。
研究者らは、マウスに抗生物質を投与し、飽和脂肪を多く含む餌を与えると、腸の内側を覆う細胞が使用する酸素の量が減少する結果、腸内でより高いレベルの酸素が生成され、ソルビトールを分解できるクロストリジウム菌が減少することを発見した。クロストリジウム菌が十分に存在しないと、ソルビトールが腸内で分解されない。
さらに研究者らは、腸内細菌を回復させてソルビトールを再び分解できるようにするためにいくつかの実験を行った。酪酸を生成する腸内細菌を投与することで、腸の上皮における酸素の利用が促進され、酸素レベルが低下し、クロストリジウム菌が正常レベル回復して、ソルビトール誘発性の下痢からマウスを保護することが明らかになった。
また研究者らは、潰瘍性大腸炎、クローン病、その他の炎症性腸疾患の治療に使用される薬であるメサラジン(5-アミノサリチル酸)が、ヒトのソルビトール不耐症の治療法となる可能性があることを示唆している。メサラジンは、酪酸生成細菌と同様に機能し、クロストリジウム菌が好む腸内の低酸素レベルを回復する。
「脂肪含有量が高く、ケトフレンドリーなダイエット食品の製造にソルビトールや同様の糖アルコールが広く使用されていることを考えると、この発見は極めて重要です。また、この発見は、上皮内層による酸素消費の重要性も浮き彫りにしています」と研究者はコメントしている。
出典は『Cell』
http://dx.doi.org/10.1016/j.cell.2024.01.029