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複数のスマートウォッチ用リストバンドから高濃度の「永久化学物質」が検出される

スマートウォッチやフィットネストラッカーは、ウェアラブル技術のありふれた形となり、多くの人々が日中(そして夜中も)着用している。そのため、いわゆる「永久化学物質」に皮膚を曝露する可能性が高まるようだ、という研究報告。

フッ素化合成ゴムで作られたより高価なリストバンドには、ペル/ポリフルオロアルキル物質(PFAS)の1つであるペルフルオロヘキサン酸(PFHxA)が特に多く含まれていることが判明したという。

「この発見は、私たちの皮膚と長時間接触する物品に、永久に残る化学物質の一種が極めて高濃度で含まれている点で際立っています」と研究者は述べている。

研究者らは、市販されているブランドや価格帯の異なる22のリストバンドについて、フッ素と20種類のPFASの存在を調査した。そのほとんどは新しく購入したものだが、いくつかは以前使用していたものもあった。

フルオロエラストマー製と宣伝されていた13のリストバンドにはすべて、フッ素元素が含まれていた。しかし、フルオロエラストマー製と宣伝されていなかった9つのバンドのうち2つにもフッ素が含まれていたため、PFASが含まれている可能性がある。

検査したリストバンドのうち、30ドル以上のリストバンドには、15ドル以下のものよりも多くのフッ素が含まれていた。

次に、化学抽出に続いて、すべてのリストバンドで20種類のPFASが含まれていないか検査した。最も一般的だったのはPFHxAで、検査した22のリストバンドのうち9つに含まれていた。PFHxA濃度の中央値は約800ppbで、1つのサンプルは16,000ppbを超えていた。

研究者らは、リストバンドに多量の PFHxA が含まれているのは、フッ素エラストマーの製造工程でこの化合物が界面活性剤として使用されているためではないかと示唆している。

研究者らは現時点では、PFHxA が皮膚にどれほど容易に移行するのか、また皮膚に到達したらどのような健康影響をもたらすのかについて理解していないが、最近の研究では、通常の条件下でかなりの割合が人間の皮膚を通過する可能性があることが示唆されているという。

「消費者が高価なバンドを購入したい場合は、製品の説明を読んで、フルオロエラストマーを含むと記載されているものは避けることをお勧めします」と研究者はコメントしている。

出典は『Environmental Science & Technology Letters

http://dx.doi.org/10.1021/acs.estlett.4c00907



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