見出し画像

ケトジェニックダイエットが自己免疫疾患を治療する?

ケトジェニックダイエットによって腸内細菌がマウスの多発性硬化症(MS)の症状を軽減する因子を生成するようだ、という研究報告。この研究が人間にも応用できれば、サプリメントでMSやその他の自己免疫疾患を治療する新たな方法が示唆されることになるだろう。

ケトジェニックダイエットでは、パン、パスタ、果物、砂糖などの炭水化物を多く含む食品が厳しく制限されるが、脂肪の摂取は無制限に許可される。燃料として使う炭水化物がなければ、体は代わりに脂肪を分解し、ケトン体と呼ばれる化合物を生成する。ケトン体は細胞が燃焼するためのエネルギーを提供し、免疫システムを変化させることもできる。

研究者らは、MSのマウスモデルを用いて、β-ヒドロキシ酪酸(βHB)と呼ばれる特定のケトン体を多く生成するマウスは、病気の重症度が低いことを発見した。

追加のβHBは、腸内細菌Lactobacillus murinusにインドール乳酸(ILA)と呼ばれる代謝産物の生成を促した。これにより、MSやその他の自己免疫疾患に関与するTヘルパー17免疫細胞の活性化が阻害された。

「本当に興奮したのは、これらの化合物を補充した食事を与えるだけで、マウスを炎症性疾患から守ることができるとわかったことです」と研究者はコメントしている。

出典は『Cell Reports』

http://dx.doi.org/10.1016/j.celrep.2024.114891



いいなと思ったら応援しよう!