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これって派遣がやる仕事なの?! 派遣と正社員の仕事の区分 【同一労働同一賃金】制度も踏まえて解説!!

私が派遣担当者として従事していた中で、派遣社員の方から「これって派遣がやる仕事なんですか?! 正社員の仕事ではないんですか?!」と聞かれることが良くありました

会社によっては、難易度が高い仕事も正社員でなく、派遣社員が対応しているケースが良く見られます

「その割には、給料が安い!」などの不満の声を聞くことが多くあります

派遣社員と正社員の仕事の内容の区分けの正式な基準はあるのでしょうか?!

【同一労働同一賃金】制度の内容も踏まえて順に説明していきます

この記事を読むことで、派遣社員と正社員の仕事の区別派遣の仕事をする上でどんな悩みが多くあるのか双方納得した上で、派遣の仕事を行うコツ、をしっかりと理解することができます

それでは詳しく解説していきます

この記事で分かること

派遣と正社員の仕事の区別はあるの?!

派遣で働く上で良くある悩み

・派遣で働く上で良くある悩みの対処方法


派遣の仕事の区別はある?!ない?!

結論から申し上げると、現在の派遣法では、「正社員の仕事」「派遣社員の仕事」といった区別はなされていません

要するに、「業務内容において、正社員の仕事と派遣社員の仕事には区別がない」ということです

正社員の方でも能力の高い方、低い方、派遣社員の方でも能力の高い方、低い方、と千差万別おられます

「派遣社員の私がこの仕事をして、社員は楽な仕事をしている」、なんてケースも良く聞いたことがあります

法律的には、業務の区別はないんですね

ですから、こうした職責、立場と逆転の現象が起きている職場があるんですね

特に、新入社員(20代)をベテラン派遣社員(50代)が教育する、といったことは良く行われています

その結果、下記における派遣社員の方の悩みが発生しているんですね

派遣業務の中でよくある悩み 6選

それでは、良く派遣社員の方から相談がある業務の悩みについて、具体的に見ていきましょう

契約業務以外の仕事を多くやらされている

「契約業務以外の仕事を押し付けられている」という悩みは良く聞きます

基本的に雇用契約を締結する際には、就業条件明示書(雇用契約書)の【業務内容】欄に具体的に対象業務の内容の記載があるかと思います

派遣社員の方は、業務外となるものに関しては、断る権利を持っています

その際はまず、派遣担当者へ相談しましょう!

派遣の仕事が始まる前の「職場見学、顔合わせ」の際に業務の説明が派遣先担当者からあったかと思います

明らかにその説明もなく、全く別の業務をさせられている時は無理をせず、相談しましょう

就業条件明示書の業務内容の欄に、「・・・・に付随(付帯)する業務」といった記載がある場合もあるかと思います

実際、一つ一つの業務を文字にすることはできないので、付随(付帯)業務とすることで、幅広く細かい業務もひとかたまりにしているケースがみられます

やっかいなのは、やっている仕事がメインの業務の付随(付帯)業務の対象となるか、ならないか、ということですね

この線引きが非常に難しいところなので、ここは派遣会社と話し合って、業務内容を修正するなり、外してもらうなりの対応をしてもらいましょう

ちなみに、業務内容には「派遣先において従事する業務の内容、その業務に必要とされる能力、責任の程度等を具体的に記載すること」が望ましいとされています

業務量が多すぎて、納期に間に合わない

業務量に関しては、就業条件明示書には記載がありません

派遣の仕事をしていて、あまりにも仕事量が多く、残業をやらせてもらえる場合は良いが、「残業をしないように!」、などと言われているケースが一番困ります

残業に関しては、派遣社員の場合はきっちり8H以上は時間外手当(25%以上)を支払わなければならず、「派遣先としては極力残業をさせたくない」、というのが本音のところです

この場合はの解決策は、派遣担当者に相談をすることです

できれば丁寧に紙ベースに業務内容と対応時間数を記載し、説明することで、派遣担当者も派遣先に交渉することができます

口頭ではなく、文字ベースに落とし込みましょう

業務レベルが高すぎてついていけない

事前の職場見学、顔合わせの際に説明がなく、①社員の方から自分のスキルでは到底できない業務を押しつけられるケース、②業務はなんとかできるが、周りの方にスピードでついていけないケースがあります

②後者の場合は、実際仕事をしてみないと分からないケースであり、入社してから苦労する場合です

①前者の業務スキルが高すぎてできない場合は、派遣先は派遣社員の交代を派遣会社へ依頼するでしょう

これは致し方ないことで、こうならないように、職場見学、顔合わせの際の仕事内容の摺り合わせがあるものです

②後者の場合は、相談することで自分なりのスピードで行う許可を得るか、対象業務を別の社員に移行してくれるケースがあります

いずれにおいても、まずは派遣担当者へ相談してみましょう

それでもプラスに考えれば、「自信のスキルアップに良いきっかけを与えてくれた」とする考え方もできます

この悩みについては、解決が難しい場合もありますが、派遣担当者、派遣先担当者(指揮命令者)とのコミュニケーションを深めて、双方納得した上で気持ちよく仕事ができる環境に変えていければ良いですね

『残業』『休日出勤』が多すぎる

事前の職場見学、顔合わせの際にも説明があったが、あまりにも残業、休日出勤が多すぎるケースも多くあります

企業によっては社員の残業分を派遣社員でまかなう形で考えている会社もあります

「正社員は定時で帰社するが、派遣社員は22時まで残業」、なんてケースもザラにあります

もともと「残業なし」で派遣先の承諾をもらっているケースは良いですが、「残業対応できます」の場合も限度はあります

過度に残業量が多いケースは、まず派遣担当者へ相談してみましょう

就業条件明示書にも時間外労働についての記載があるかと思います

(例)【時間外労働】欄
「就業時間外の労働は1日4時間、1ヶ月45時間、1年360時間の範囲で命
ずることできるものとする。」

雇用主が従業員に時間外労働を命じる為には36協定(通称サブロクキョウテイ)を結ぶ必要があります

※36協定とは「法定時間外労働(※1日8時間/1週40時間以内)・休日出勤」に関して、残業させる業務や残業の上限を決めたもの

派遣社員の場合は、雇用主である派遣会社と36協定が締結されています
派遣元が36協定を締結していない場合は、派遣社員は原則、派遣先において時間外労働はできません

参照:厚生労働省HP「派遣労働者の労働条件・安全衛生の確保のために」

ただし、繰り返しとなりますが、仮に派遣会社との36協定が締結していたとしても、就業前に「残業ができない」と伝えていたなら、断る権利があります。

派遣先の残業に苦しんでいる人は、派遣担当者に相談してみてください。

派遣社員の残業時間/残業手当についてはこちらで詳しく解説しています

派遣社員の休日出勤/休日手当についてはこちらで詳しく解説しています

派遣社員なのに新人教育をやらされている

これも良く相談にある内容です

そもそも常識の中に、「正社員が派遣社員を教育する」という一般的な概念があると思います

まさにその通りだと私も思いますが、実情は「派遣社員が派遣社員を教育する」、「派遣社員が正社員を教育する」、「派遣社員がパート・アルバイトを教育する」、こともあります

もちろん法律(派遣法)では、「派遣社員が○○(直接雇用者)を教育してはならない」、なんてことはないんですね

ですから、こういった悩みごとが起きているんですね

派遣社員の方が納得いかないのは、「社員(派遣社員)教育は正社員の仕事でしょ!」という一般的概念があり、当然という価値観からなんですね

それでも、法律に抵触していない限り、それは許されるものとして、行われているんですね

この誤解を解消するためには、前もって社員(派遣社員)の教育があるか、ないか聞くことをお勧めします

就業条件明示書の中にその旨の内容が謳ってあるか、確認しても良いでしょう

いずれにおいても、契約として、それを含みで契約しているかしていないか、で双方の納得感に違いは出るでしょう

仕事の責任の重さが正社員と同じ

能力、スキルが高い派遣社員になると、正社員と同様な仕事内容、責任を課せられるケースもあるかと思います

その割に「給料は安い!」、などと感じている方もいるのではないでしょうか?!

この問題を解消する為に、【同一労働同一賃金】制度が始まっています

※詳しくは派遣社員【同一労働同一賃金】で解説しています

原則、「仕事の内容、責任の重さ、異動があるかないか、等の項目別に、社員と、派遣社員、またパート・アルバイトなどの職責によって、明確な違いをはっきりさせ、それに応じて給与設定がなされる」、のがこの制度の役割です

ですから、正社員と同等の仕事、責任であればそれに応じた評価が行われていて、給与が設定されているはずです

【派遣先均衡・均等方式】、または【労使協定方式】によって、違いはありますが、【労使協定方式】であれば、その評価レベルは高い水準であり、それ相当の給与設定になっているはずです

自分の仕事の質からみて、納得いかない場合は、派遣担当者へ問い合わせをしてみましょう

また、「そういう状況であれば、正社員になる方が良い」、と考えている方は、紹介予定派遣への切り替えができるかどうか、直接雇用の可能性があるかどうか、派遣担当者に聞いてみるのが良いですね

まとめ

今回、派遣で仕事を行う上でよくある悩みについて見ていきました

ポイントをまとめると、以下の内容になります

・派遣社員の業務内容に正社員との区別はない

・業務内容、業務量に納得がいかない場合は、派遣担当者へ相談する

・残業、休日出勤が多すぎる場合は、36協定の内容を確認、相談する

・正社員、パート・アルバイトの教育も派遣社員の仕事として認められている

・業務レベル、責任の重さが正社員と同等であれば、給与UP交渉、直接雇用を打診する

現在の仕事に納得がいかない派遣社員の方も多いかと思います

泣き寝入り、我慢はしないで、一度相談することをお勧めします

不満を持ったまま仕事を続けることは、派遣先、派遣社員のあなたにとっても良くないことです

業務ミス、コミュニケーション不仲、など良いことは一つもありません

双方、納得した上で、仕事を進めていくことが理想の形かと思います

上記内容を参考に、あなたの派遣社員ライフに役立てれば幸いです


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