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ソロキャンプ:ダッチオーブンと星空の夜

今回は長野県の八ヶ岳高原にある五光牧場オートキャンプ上にお邪魔してきました。ソーシャルディスタンスの観点から平日ソロを基本方針にしているとはいえ、さすがに夏休みの期間ということで、けっこう他のお客さんもお見えだったのですが、キャンプ場の方でも予防のために対策を取った上で利用者にも注意喚起をしていることもあり、特に他の人との接触を持つことなく過ごすことができました。

さて、今回のテーマは岩鉄鉄器さんの小型軽量ダッチオーブンを実戦投入する、ということがメインテーマだったのですが、それと合わせて、前回のキャンプで使用したソロ用シェルターを製作・販売しているドイツのTschum社のブレード組み立て式スチール焚き火台を試していますので、その辺りを中心に、いくつか補足情報をまとめておきたいと思います。

岩鉄鉄器「ダクタイルダッチオーブン」

わたしが行くキャンプでは「キャンプとしての範疇で」「なるべくおいしいものを」「その場で作って食べる」というのが基本方針なので、シンプルなクッカーセットよりもスキレットとかホットサンドメーカーとかダッチオーブンとかの方が出番が多いのですが、最近は撮影機材と食材以外はすべてバックパックひとつにまとめる、という縛りでやっているので、大きさとか重量が結構、ポイントになってきています。

しかし基本のクッカーと違って、どちらかというと追加アイテム的な調理器具にはあまり「ウルトラライト」的なカテゴリーのものがなく、特にダッチオーブンなどはそもそものコンセプトからして分厚い鉄器なのが当たり前ということで、なかなか重さ的に厳しいところがあります。というわけで、かねてからあれこれ探していたのですが、今回、たどり着いたのがこの岩鉄鉄器さんが「薄さ1.6mm」「世界最軽量」と謳っているダッチオーブンでした。

今回キャンプで持ち出す前に自宅であれこれ試してみたんですが、とりあえず一人用の調理器具としてはベストサイズ、という感じです。ポイントとしては「鶏もも肉なり豚のブロック肉なり、スーパーで売っているサイズの肉の塊をギリギリ収められるサイズ」ということ、「メスティンの蒸し網などに使う金網的なトレーが、四隅をややたわめるくらいでフィットする」ということ辺りでしょうか。重さについては「ダッチオーブンとしては軽い」のは間違いありませんが、まぁそれでも食材込みで2kg近くなってしまうので、たまにちょっと変わったものを作ろう、という時に持ち出す、くらいの位置付けになりそうです。

上の写真、蓋の上に載っているのがメスティン用の蒸し網です。四隅をほんの少し曲げてやるだけで完璧にフィットしますが、今回はこの網は使わず、玉ねぎの外皮部分を下敷きに使うことにしました。

レシピというほどのものでもありませんが、今回のラムローストはラム肉にクレイジーソルトとオリーブオイルをたっぷりすり込んだものをあらかじめ用意しておいて、アルミホイルの上に敷いた玉ねぎの外皮部分を土台に、リンゴのスライスとラム肉を交互に並べて、上から追いオリーブオイルと塩を足して蓋をしました。焚き火台の熾火の上に直置きして、1時間近くじわじわと熱を加えた結果が下の写真です。

蓋の上にしっかり炭などを置けばもう少しこんがり仕上がったかと思いますが、とりあえず初回としては上出来でした。火の入りもパーフェクトで、後片付けもアルミホイルを取り出して丸めて捨ててしまえば、あとは軽く残った油を拭き取っておいて、あとは自宅に帰ってからのメンテでOK、という感じで手間もかかりませんでした。ナイス。

Tschumの焚き火台「Feuerschale」

この焚き火台は前回使ったシェルターテントを注文する際に、送料もそれなりにかかるから他に買うものがあればまとめて買っておきたい、という貧乏性に後押しされてうかうかと注文してしまったものなんですが、この先、秋冬シーズンでTschumのシェルターの出番が増えれば組み合わせて使うこともあるかということで事前にテストしておくために今回持ち出したものです。

6枚のステンレススチールの羽を留め具で組み上げてピンで止めるという仕組みで、板6枚だけで成立するので体積的には非常にコンパクトに収納できるんですが、如何せん、それなりに厚みのあるステンレスということで結構、ずっしりとした重量感があります。

わたしが購入したのはSサイズなんですが、同社のサイトの情報によれば重量は1.88kgということで、一人用の小型焚き火台としては圧倒的なヘビー級という感があります。メリットとしては収納時には体積は本当に小さくまとまることと、重みがある分、安定性が半端ない、ということでしょうか。今回、中身も合わせれば2kg程度はあったはずのダッチオーブンを中心から外れた位置に直置きしましたが、びくともしない感じでした。ロストルをどうするか、等、もう少し考えないといけない部分がありますが、他の荷物が軽い時には悪くない選択肢というところです。実際に使用している際の見た目は、「生の焚き火」に近い野趣があり、なかなか悪くない風情がありました。

星空タイムラプス撮影

今回は割としっかり晴れてくれたので、星空のタイムラプス撮影を二台体制でやっています。Sigma fp+24mm Artは固定アングルで、EOS RはRF15-35mmの広角端で、Miops Capsule 360で水平方向メインの回転をさせながら撮影しています。

Sigma fpの方は24mm Artのパワーで開放f/1.4でも十分な画が撮れてしまうのでかなり暗い星まで拾い上げることができるんですが、実際にLightroomでRAW現像に取り掛かると、全体としてのバランス上、星がたくさんあればいいというものでもなかったりして、まだまだ当分は試行錯誤が続きそうです。

撮影自体の方も、前々から分かってはいて、どうにかしないとなぁ、と思い続けているものの、今回も「結露対策」を怠っていて、真夜中近くの北極星を中心に据えたショットでは気温が下がり、途中でレンズの中央部分が曇り始めてしまいました。次回はちゃんとレンズヒーターを投入するべく、準備を進めています。

一方、EOS Rの方は、今回、それなりに納得のいく形に仕上がった気がします。こちらはMiops Capsule 360とシャッター連携が可能で、静止状態でバルブ撮影を繰り返すことができるのでそもそもシャープな画が撮れるのですが、今回改めて、撮影時の設定と現像時の処理の双方で、今後のベースライン的なところを確立できた気がします。今後はマウントアダプター経由でSigma 20mm Artなどとの組み合わせも模索していきたいところです。

今後の予定

差し当たり、今現在は夏休みシーズンど真ん中、ということもあって、少し人が少なくなるのを待とうかと思っていますが、8月下旬以降、徐々に涼しくなるのを見計らって、またあれこれ試そうと画策しています。

現在、温めているプランとしては、「手ごろな木がないところでもハンモックを設営できる携帯式ハンモックスタンド」「ダッチオーブンを使った何か新しいレシピ」「シェルターテントと薪ストーブの組み合わせ運用の確立」「タープのみのミニマルキャンプ」「レンズヒーターをちゃんと使った『正しい』タイムラプス撮影」などがあるんですが、また9月の声が聞こえ始める頃に、そのいずれか、もしくはまったく違う、唐突な思いつきをテーマに出かけていきたいと思っています。それでは、その時にまた。

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