海外出版ニュース 5.22.2020 フランスでもコロナ禍後の書籍売上は厳しそう
フランス出版社協会(Syndicat National de l”Edition, 以下SNE)が今月初めに国内の出版社130社を対象にしたコロナ禍の影響に関する調査があがってきた。
その結果、約半数が今年の売り上げは20〜40%落ち込むだろうと予想し、4社に1社が40%以上の影響があるだろうと回答した。今年の終わりまでに業界平均で18%の新刊をキャンセルした、とも。
フランスでは3月14日から書店を閉店、今は再オープンし始めているものの、以前のような客足は望めないだろうとされている。フランスでは国内3000店近いインディペンデント書店に対し、政府が手厚く支援し、米英と違い、書籍は定価販売をキープし、アマゾンの独占をことごとく阻止してきた。このため、フランスではオンラインで本を買うインセンティブが低く、Eブックの普及率も他のヨーロッパの国々と比べて低い。コロナ禍で書店が閉められた間にEブックやオーディオブックが多少普及したがそれでも英米のそれには程遠い。
今回の調査では60%の出版社が売り上げ減で経営が厳しくなるだろうと回答し、18社がこのコロナ禍が原因で倒産もありえるとしている。フランス文化省では給与用の資金給付などの措置が1億8000万ユーロに達する予想で、75%の出版社が申請している。
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