note 52: 分光器設計 その3_edit1-190830
note 52: 分光器設計 その3_edit1-190830
平面回折格子を使った分光器設計:
先に紹介したテキストを元に、実際の分光器の設計をしてみる。
↓
「The Optics of Spectroscopy」という小冊子でした。
JABIN YVON-SPEX
https://web.mit.edu/8.13/8.13d/manuals/Hydrogenic/jy-theory-optics-spectroscopy.pdf
以下、この小冊子から引用する。
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5. The Relationship Between Wavelength and Pixel Position on an Array
この章のポリクロメータの平面回折格子を使った場合の計算式が載っている。
各パラメータを指定した場合の計算結果例が記載されている。
Figure 21
table 7
以下は、もの説明文に出てくる各パラメータを自分でリスト化した日本語訳名称リストである。
分光器計算式勉強.png
全編を丁寧に熟読して、この例題を計算すれば table 7の結果が得られるはずだ。
Figure 21(a) の Γ はリニアセンサー or CCDの中心波長:λcに対する傾きを表している。場合によっては、Γが0でない方が分光器の特性が良くなる場合がある。
自分自身、文章が英文ということもあり例題の答えと一致するまでにかなりの時間がかかった。最終的にこの式をエクエルの式に落とし込むことにより汎用の分光器設計ツールが出来た。
分光器計算例.png
これが使えれば、市販の平面回折格子と凹面ミラーの組み合わせで分光器を設計できる。
但し、カスタムの検出器を使って任意の波長範囲、波長分散で設計する為には任意の曲率をもつ凹面ミラーが必要になる。
平面回折格子の仕様は主に溝本数、ブレーズ波長、大きさで決まる。
各回折格子(グレーティング)メーカーから各種仕様の物が製品化されている。カスタムのグレーティングを作る為には最低数百万円の初期費用が掛かるので、カタログの通常品から選択するのが一般的である。
国内メーカーでは、島津製作所のグレーティングが多くのラインアップをそろえていて選びやすい。
https://www.shimadzu.co.jp/products/opt/products/grating/p01-1-2.html
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