小西 りょう

三重大学修士課程に通う大学院生です。 日々の問題意識をアウトプットしていければと思います。

小西 りょう

三重大学修士課程に通う大学院生です。 日々の問題意識をアウトプットしていければと思います。

最近の記事

親ガチャから目を背けない

親ガチャってなに!? 以前書いたブログを読んでくれた友人が質問をくれました。 ヤフーニュースのサイトを転送し、簡単に説明した。 それを機に、自分自身も親ガチャを考えてみます。 親ガチャとは一般的に、親の経済力、教育環境は運で決まり、この将来もそれに左右されることを、おもちゃのガチャガチャに例えた言葉です ここで注目されているのは、親ガチャの言葉を使用しているのは「学生」が多いということです。彼らの生きる社会は格差が広がり、努力でなんとかなると言う期待が持てない世代にな

    • 文系博士を諦める君へ

      先日、同じく文系博士号を目指していた友人から、 「博士号課程を断念して、就職をする」 という話を聞きました。 修士課程在学中、ずっと一緒に博士を目指していたので、私はこの話を聞いた時は非常に残念でした。 彼は私より一生懸命研究をしていて、多くの学会でも発表する実績がありました。博士号へのこだわりもあり、修士論文の段階で博士論文を視野に入れて書いていました。 そんな彼がなぜ博士号を諦めたのか。 話を聞く限り、理由は2つ。 ・博士号後のキャリアが見えない ・自分の研

      • 誰もが頑張れると思うな。

        あるオンライン交流会で、「頑張る」の定義の話になりました。 ある人は「頑張るって、年代ごとによって、価値観違うよね。昔みたいにガムシャラでいることを頑張るとは言えなくなってきた。」と言いました。 たしかに。ワークライフバランスやパワハラなどの社会問題はもう無視できなくなっている。 実は僕は頑張るという言葉にあまり肯定的ではありません。頑張るは正義だと語られがちだから。 子どもの貧困や格差問題を勉強していると、「頑張れない存在」と向き合うことになります。彼らは教育や仕事

        • 子どもは「作る」のか「授かる」のか

          最近、国民民主党の重点政策に「少子化対策」を加えなかったことに対して、「玉木代表が伊藤たかえ議員(愛知選出)から怒られたから」という話が興味深かったです。 伊藤議員はTwitterで子育て支援と給与水準が保障されて、子どもが産まれることが自然だと指摘していました。 うんうんうんと、ついスマホに頷いていました。結局少子化対策って言われる政策は、働く女性に照準を当てているにすぎず、多く子どもを産んでもらうための対策であると、僕も考えていたからです。 一連の議論を受けて、僕ら

          ひきこもりってなにが悪いの?

          先日、「大人のひきこもり/池上正樹」を課題図書にした勉強会がありました。 それきっかけで、いろいろひきこもりについて考えていますが、難しい。 この勉強会を経て、2つだけ気に止めようと思ったことがあります。 1つ目。ひきこもりを無くそうとしないこと。 マイノリティが排除されがちな原因には、「無くそうとされるムーブメント」にあると思っています。 だからマイノリティに寛容になるためには、「ひきこもりであっていいじゃん!」という社会にしていく必要があります。 LGBTQであ

          ひきこもりってなにが悪いの?

          子どもが当事者になる社会を目指して

          これは僕がずっと掲げている言葉である。「若者を次世代ではなく,当事者に」 これを思ったのは,若者の投票率の低さからである。何度もしつこい問題意識なので,また別の機会に書きたいと思うが,投票率の低さの一つには,若者の当事者意識の低さがあると考えている。 私はその当事者意識の低迷は,彼らだけのせいでないように思っている。 その要因のひとつに「次世代」という呼称に注目したい。 これは どの世代までをこう呼ぶのか住むコミュニティによって異なるが,意味としては「これから来る未来

          子どもが当事者になる社会を目指して

          僕たちZ世代が疲れた理由

          Z世代,よく耳にしますよね。1996年生まれの僕は,ちょうど該当世代(1996年以降に生誕)。不景気に育ったことで思考が現実主義に,小学生のころから携帯をもち,ネット環境も整っていたデジタルネイティブ。よく若者向けにマーケティング戦略をする際に使用される言葉なので,気になった人は調べてみてください。 最近,Z世代が疲れているという記事を読みました。記事のタイトルは,こんな感じです。映えに振り回され,,疲れたZ世代が求める低刺激生活Z世代に広がる「サスティナブル疲れ」「好きを

          僕たちZ世代が疲れた理由

          日本人の集団主義は本当か。

          個人の利益より集団の利益を求めることを集団主義といいます。よく日米の比較において用いられる表現ですね。日本人は米国人より集団主義だと。 でも、それを実感している人はどれくらいいるんでしょうか?? 若者は高齢者より自分たちを 高齢者は若者より自分たちを 経済より環境を 環境より経済を 生活保護がいるのか、いらないのか 児童手当が高いのか、低いのか それぞれの立場で、求めるものは変わってくる。 これは日本人という集団の利益を重視していることなのだろうか? 社会的ジレンマと言

          日本人の集団主義は本当か。

          「一票」より「いいね」の方が社会変えられるんじゃないかって話。

          託します 私の未来 この一票 昨日告示された三重県知事選のポスターのキャッチコピーです。候補者は3人。投票日は9月12日です。ぜひ投票に行ってください というのは建前。 「投票に行っても何も変わらないじゃないか」 この問いに対して,何も答えられない社会は,投票率をどんどん下げていく。 だから僕は,投票に行く以上に,政治に関心持ってほしいと思う。日常の問題意識や,もっとこうなったらいいのに,という気持ちを大事にしてほしい。それが政治に関心を持つことだと思う。別に総裁選

          「一票」より「いいね」の方が社会変えられるんじゃないかって話。

          #646 新卒社会人の早期離職は,「メンタル弱い」から?

          最近,新卒社会人の後輩が,適応障害と診断され休職したと連絡をもらいました。同様のケースを,僕の周りで当事者を3人は知っています。たった3人じゃん,思われるかもしれませんが,僕は相当課題感を持っています。たかが仕事になぜそこまで悩まなきゃいけないんだ。 「若者の3割は3年で辞める」この言説はすっかり浸透しました。そう,ぶっちゃけ10年前から大卒社員の3割は3年で辞めているんですね。これはもうゆとり世代,さとり世代,コロナ世代という世代間の問題ではない。環境の変化に,人はストレ

          #646 新卒社会人の早期離職は,「メンタル弱い」から?

          #654 博士課程は鬼門なのか。

          今日は博士課程の入学口述試験でした。修士論文,研究業績,博士の研究計画のすべてを10分で話すなんて無理!といいながら,なんとか乗り切った。汗だく。 博士課程の学生って日本に75,000人くらいしかいないんですって(修士課程は15万人)。それもそう,博士課程学生の約50%が無給で,博士取れたとして,企業は30代近い博士学生を採用しないし,大学で働くとしても50%が非正規講師になる。誰がなるねん,笑。 日本は,人口100万人あたりの博士数は118人。一方海外は?英国360人,

          #654 博士課程は鬼門なのか。

          #659 投票率はこれからも下がり続ける

          直近で行われた東京都議会選挙の投票率は42.39%で,都議会選挙では過去2番目に低い投票率だったようです(都選管)。もともと人口が集中する都市では,投票率は低いと言われています。若い人の投票率は低いと言われているので,高齢化がない地域の投票率が低いのでしょうか。 若年投票率の低下,いつまで言われ続けるのでしょう。そう昔からずっと言われていますよね(特に96年以降)実は,同世代を追ったパネル調査では,自身が20代の頃より30代になってからの方が投票をするようになったことが明ら

          #659 投票率はこれからも下がり続ける

          #660 「撤回すればいい」政治判断なんてない。

          酒類の提供停止の要請を守らない飲食店に対し,金融機関に働きかけを要請するとした西村担当大臣の発言を撤回しました。(Yahoo!ニュース) 今日のニュースでも「撤回」の文字。非常時とはいえ,政治判断に「撤回」が多すぎる気がするんですが、どうでしょう。最近では,五輪開催時の酒類提供,さらに入管法改正案。少し前では,検察庁法。「撤回に反対なのか」ということではなく,撤回が目立つ政治判断に「どうなのかなぁ」って思うだけ。 それぞれの撤回がどのような経緯で行われているのか正直わから

          #660 「撤回すればいい」政治判断なんてない。

          #667 個人の能力ではなく,能力が発揮できる環境をつくる

          今日は,同ゼミの後輩に研究指導をする日でした。その後輩は,ソーシャルキャピタルの研究をしています。 日本語では社会関係資本と呼ばれ,提唱者パットナム(1993)によると,「人々の協調行動を活発にすることによって社会の効率性を高めることのできる,『信頼』『規範』『ネットワーク』といった社会組織の特徴」を意味します(よくわからん) 僕の専門領域(教育社会学)でも,ソーシャルキャピタルは語られることが多く,例えば,「自分の周りに大学進学者が多ければ,自分も大学に行く確率が高くな

          #667 個人の能力ではなく,能力が発揮できる環境をつくる

          教員目線で不登校は語られない。

          1.居場所計画四日市市 居場所計画さんのイベントに参加しました。 2019.09.01 9/1(日) イベント <夏の居場所さがし> 学校に行きづらい人、悩みがある人のために活動する学生主体で活動されている団体です。 イベントでは、不登校を経験されたスタッフの方が、ご自身の経験や今後の抱負などを語って頂きました。 2.不登校は大切な時期だった皆さん共通していたのは『不登校は自分にとって大切な時期だった』と話されていたことです。 不登校になった当時は 非常に精神的に苦しかった

          教員目線で不登校は語られない。

          #30 卒業式と袴

          こんにちは。こにしです。 今日はとても楽しみな1日でした。 卒業式今日、私の大学では卒業式が行われました。 実は、私は大学を1年留年しているので、卒業するのは同期の皆さん。 私は卒業しないながらも、実際に足を運び、同期の友達に「おめでとう!」を伝え歩きました。 そんな卒業式を迎え、一部報道でも取り上げられた「小学校卒業式に袴」という問題を考えてみたいと思います。 小学校卒業式に袴「格差を助長しかねない」「すそを踏まないか心配」「子どもにふさわしくない」……。小学校の

          #30 卒業式と袴