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地上にでたとき 果たすのは復讐か それとも …
奈落の底に堕ちたら 生きては戻れない そこは 人喰い鴉の巣くう穴 ああ でもどうして 君が 少年は俯きながら 濡れた頬を拭った 奈落の底で 哀しそうに 鳴いていた あなたが帰りたい 空を私は知ってる
白い大鴉は 前触れなく 少年の巣を訪れる 腐敗臭に満ちた巣窟で ここだけは 生きた人間の匂いがする どうして お前はまだ 生きている 顔を寄せれば 妹の香りが 鼻をさする
初めて見たカラスは 目眩がする白だった 虚弱で狩りができない 君の巣に届くのは 子供ばかり 餌に興味を示さず 遠くを見つめる君は ただ鬱くしく 悲しみに惹かれていく 俺が励ましたら 「餌のくせに」と 笑った それでもいいと思った 君の命が伸びるなら いいと思ったのに・・・
ここから先は ヤツの縄張り 「懲りないやつだ」 穢い声に 蘇るのは 色のない記憶 「今度は違う」 過るのは 赤く滲む爾今
いつの間にか 飛び方も忘れ 飛びたいとすら 思わなくなった 【おまけ1】 一緒に行こう 【おまけ2】 協力プレイ(仲は悪い)
殺し屋に飼われた鴉は 鳴き方を知らない 売人に買われた白蛇は 噛み方を知らない
喪いたくないと 思えば思うほど 零れおちていく
君の声に揺れる 一緒に行こうと 君の声が滲みる
「 また、会えたね 」 見えない言葉が 聞こえた気がした。
「 き れ い 」 静かに落ちていく声が 強く、痛く、染みた 黒い翼が真っ赤に 染まっているのも わかるはずなのに ( どうかしてる ) たった、3文字に 救われた気がして 何も言えない俺も